米ホンダ「HRC US」アストンマーチン搭載の2026年F1エンジン開発に関与
ホンダの米国四輪レース開発会社「Honda Racing Corporation USA(HRC US)」はアストンマーチンのF1マシンに搭載される2026年以降のパワーユニット(PU)の開発および現場でのサポートに関与する。
インディカー・シリーズへのエンジン供給を目的に1993年に設立された「Honda Performance Development(HPD)」は、2023年12月19日付けでHRC USへと社名を変更した事を明らかにするとともに、今後のレース活動概要を発表した。
HPDはこれまで、インディカーやIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権、バハ1000、フォーミュラ・リージョナル・アメリカといった、主に北米大陸での活動に焦点を当ててきた。
一方で新生HRC USは、日本の株式会社ホンダ・レーシング(HRC)と密接に協力し、知見と知識を結集させ、ホンダ四輪モータースポーツの開発力をグローバルで高めていく計画で、この一環としてアメリカ国内で年に3レースが開催されているF1でのパワーユニット・プロジェクトに関与する。
ホンダは2021年末にF1から撤退したが、現在もテクニカルパートナーという肩書でレッドブル・レーシング及び、その姉妹チームのスクーデリア・アルファタウリにPUを供給し続けている。ただし、この協力関係は2025年末を以て終了。次世代PUが導入される2026年以降はアストンマーチンにPU一式を供給する。
HRC USによると同社は2026年以降のPU開発に携わるほか、グランプリの週末には現場でチームをサポートする。
「次の冒険に乗り出すことを本当に喜ばしく思うとともに、身の引き締まる思いを感じている」とHRC USのデイビッド・ソルターズ社長は語る。
「ホンダのレース活動の伝統は桁外れだ。ツインリンクもてぎで行われたホンダ恒例のThanks Dayから戻ったばかりだが、そこではMotoGP、F1、インディカー、モトクロス、ダカール耐久、トライアル、ツーリングカー、そしてスーパーGTと、あらゆるカテゴリーの世界チャンピオン達が集結して最高レベルのデモンストレーションが行われた」
「こんなことができるのはホンダだけだ。 2輪、4輪を含めて我々はあらゆる最高峰のレースに挑戦し、素晴らしいファンたちを魅了してきた」
「これに加えてホンダには素晴らしい車とバイクのカルチャー、最先端のテクノロジー、そして素晴らしい乗り物がある」
「HRC Honda Racingというグローバルなレーシング組織を作るために、会社と従業員が一丸となる事は本当に誇らしいものだ。これこそがpower of dreamsであり、我々は自らの夢に挑戦する事ができる」
HPDはインディカーにおいて180勝を達成。13回のドライバータイトルと10回のマニュファクチャラーズタイトルに加え、世界三大レースの一つ、伝統のインディ500では佐藤琢磨の2回を含む計15回の優勝を果たしてきた。
またAcuraブランドで参戦するIMSAでは2018年から現在までにデイトナ24時間レースを3度、年間ドライバータイトルとマニュファクチャラーズタイトルをそれぞれ3度獲得している。