ギド・ヴァン・デル・ガルデ(ケータハム)、2013年7月5日FドイツGP
Courtesy Of CaterhamF1

元F1レーサーのギド・ヴァン・デル・ガルデ、現役引退を発表「それでも立ち上がった」悪夢のザウバー法廷闘争

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2013年にケータハムから19戦を戦った元F1ドライバーのギド・ヴァン・デル・ガルデが10年後の12月16日(土)、レーシングドライバーとしての現役引退を発表した。

2002年にカートで世界タイトルを獲得したヴァン・デル・ガルデは2008年にフォーミュラ・ルノー3.5のチャンピオンに輝き、GP2を経て2013年にケータハムチームからF1デビューを果たした。

ギド・ヴァン・デル・ガルデ(ケータハム)、2013年7月22日F1イギリスGPCourtesy Of CaterhamF1

ギド・ヴァン・デル・ガルデ(ケータハム)、2013年7月22日F1イギリスGP

この年のケータハムCT05はコンストラクターズ選手権最下位に沈むほどに競争力がなく、僚友シャルル・ピック共々ノーポイントに終わった。

翌年にザウバーとの間でリザーブドライバー契約を結んだが、2015年にレギュラーシートを巡る物議の契約問題に見舞われた。

資金難のザウバーはスポンサーを多く抱えるマーカス・エリクソンとフェリペ・ナッセの起用を発表したが、ヴァン・デル・ガルデは契約を盾にシートは自分のものだと主張。一件は法廷に持ち込まれた。

結果、ヴァン・デル・ガルデは勝訴を勝ち取ったが、最終的には違約金を条件とする和解に合意。これを以てF1を含むシングルシーターでのキャリアは終わりを迎えた。

その後はスポーツカーレースに転向し、2016年にはヨーロピアン・ル・マン・シリーズのLMP2クラスを制し、5シーズンに渡ってFIA世界耐久選手権(WEC)で好成績を収め、IMSAでも才能を発揮した。

ザウバーとの泥沼の闘争について38歳のオランダ人ドライバーはソーシャルメディアに投稿した動画の中で、「打ちのめされたけど、それでも立ち上がった。情熱がまだあったから」と振り返り、19戦を戦ったF1での1シーズンを「夢の実現」と表現した。

スポーツカーへの転向はヴァン・デル・ガルデに新しい世界への扉を開いたが、妻を迎え子供を授かり父となった今、人生は「家族と愛」を中心に回り始めたとして、「だから今日、レースに別れを告げることにした」と語った。

「少し寂しく感じるだろうけど、誇りに思っているし幸せだ。みんなのおかげで、すごくいい経験ができた。月日はあっという間に過ぎてしまったけど、永遠に忘れない」

母国の後輩、マックス・フェルスタッペンの台頭を受け、ヴァン・デル・ガルデは2015年よりオランダのテレビ番組で解説の仕事を始めた。家族との生活を中心に据えつつ、今後はF1解説者としてのキャリアを歩んでいく見通しだ。