ダニエル・リカルド、笑顔と苛立ちの”二重人格”「9位はこの世で最悪のポジション」
11月4日(土)のF1サンパウロGPスプリントでポイントに僅かコンマ2秒及ばなかったダニエル・リカルド(アルファタウリ)は、9位フィニッシュを「この世で最悪のポジション」と表現した。
インテルラゴスを24周する事で争われた土曜のスプリントレースでは上位8名にポイントが与えられた。リカルドは1周目にカルロス・サインツ(フェラーリ)を交わして8番手に浮上したものの、守り切る事はできなかった。
結果はともあれリカルドは実に見応えのあるレースを披露した。サインツに対するレイト・ブレーキングでのオーバーテイクはライバルを恐怖させた往年のリカルドを感じさせた。
クルマを降りたリカルドは相反する2つの感情の狭間にあった。時折笑顔を見せ、冗談を口にしながらも、自らの至らぬ点を語るリカルドの表情は間違いなく曇っていた。
「まるで二重…人格だ。レースは本当に楽しかったんだけど、同時に本当にイライラした。この2つの感情をかなり高いレベルで感じたよ…」とリカルドは語る。
「楽しかったのはもちろんバトルだ。後退してしまって上手くいかなかったこともあったけど、全体的には前進していたと思うし、少なくとも前を見て、前のクルマと戦った。フェラーリを相手にできるだけのペースがあったと思う」
24周の大部分を通してリカルドはサインツとの8位争いを繰り広げた。11周目と14周目のターン1での大外刈りは見事だったが、いずれも抜いた直後のターン2手前の検知ポイントでサインツにDRSを許し、続くターン4で抜き返されてしまった。
14周目にはターン8でイン側を空けすぎてしまい、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)に付け入る隙を与えた。取り戻すのに7周を要した。これがなければアルファタウリのダブルポイントもあり得ただろう。
「ターン1でのオーバーテイクには本当にイライラした。ターン2にDRSの検知ポイントがあるから…毎年そうなんだろうけど、今日は本当に、本当に場違いな感じがした」とリカルドは語る。
「追い抜く度に彼に手を振ったんだけど…今日はこれがフラストレーションの種だった」
「それにターン8でオスカー(ピアストリ)相手にスペースを残しすぎてしまった自分にも腹が立った。あんなのはやっちゃ駄目だ」
「おかげで彼に抜かれてしまい、その後ろで何周かロスする羽目になった。最終的にはポジションを取り戻して、残り1周でルイス(ハミルトン)とカルロスに追いついたけど、、届かなかった」
「土曜日の9位はこの世で最悪のポジションだよ! でもしょうがない。明日に向けて頑張るよ。良いところもあった。でも幾つかに関しては改善の余地があった」
結果は伴わなかったかもしれないが、マクラーレンやフェラーリといった表彰台に上がるチームを相手に対抗できるだけのペースがあった事はリカルドを少なからず勇気づけた。
「それに関しては間違いなくポジティブだ。今日から得られる前向きな材料は確かにある。あとちょっとだった。明日も同じような流れでいけるといいんだけど」とリカルドは語る。
「17番手から巻き返してポイント圏内に戻るための方法を見つけられる事を願うよ。明日のレースでは9位でもポイントが貰えるから、今日の9位より少しは気分も良くなるかもね」