マリーナベイ市街地コースのパドックを歩くルイス・ハミルトン(メルセデス)、2023年9月15日F1シンガポールGP
Courtesy Of Mercedes-Benz Grand Prix Ltd.

ルイス・ハミルトン「めちゃくちゃ」失格を逃れたクルマが他にも多数? ”クレイジー”な検査方式を非難

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F1アメリカGPでの失格処分を受けルイス・ハミルトン(メルセデス)は「他にも多くのクルマが違反していたと聞いたけど、彼らはペナルティを逃れた」と述べ、FIAの本決定はF1にとって「大きなマイナス」だと主張した。

7度のF1ワールドチャンピオンはサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)の決勝で2位フィニッシュしたものの、W14のプランクの摩耗量が規定要件を満たしていなかった事がレース後に発覚。FIAスチュワードは同様の理由によりシャルル・ルクレール(フェラーリ)共々、2人を失格とする決定を下した。

サーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)のターン2に向かうルイス・ハミルトン(メルセデス)とシャルル・ルクレール(フェラーリ)、2023年10月21日F1アメリカGPスプリントCourtesy Of Mercedes-Benz Grand Prix Ltd.

サーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)のターン2に向かうルイス・ハミルトン(メルセデス)とシャルル・ルクレール(フェラーリ)、2023年10月21日F1アメリカGPスプリント

プランクの摩耗検査が行われたのは先の2名に加えてマックス・フェルスタッペン(レッドブル)とランド・ノリス(マクラーレン)の計4台のみだった。ハミルトンは、検査の対象が広ければ、他にも失格が科されたドライバーが数多くいると考えている。

F1メキシコGPの開幕を翌日に控えたエルマノス・ロドリゲス・サーキットで、失格の件について問われたハミルトンは「たった4台のクルマしか検査しないなんてクレイジーだ。そのうち50%が不合格だった」と語った。

「それに…僕が聞いた情報だと、他にも多くのクルマが違反していたらしい。でも彼らは逃れた。兎に角、めちゃくちゃだよ!」

「もちろん、心底がっかりしてる」

キャリア17年目を迎えた38歳のベテランドライバーは、この決定がF1を損ねたと考えている。

「全般的にはこのスポーツにとって素晴らしい週末になったと思う。兎に角、盛況だったし、あらゆる面でね」とハミルトンは語る。

「でも同時にこのスポーツにとって大きなマイナスだったとも思う。毎回、数歩前進したと思ったら、2・3歩後退する驚くような決定が下されるんだ」

失格率50%という驚くような事態が判明した事を受け、ソーシャルメディア上などでは全車検査を求める声などが上がっている。

レース後の燃料サンプル検査を含む標準的な確認作業を除き、FIAは何十年にも渡って無作為方式を採用している。これは各項目ごとにランダムに選ばれたマシンのみをチェックするというもので、レース後だけでなく、予選後、そして予選からレースの間にも追加検査が行われている。

検査プロセスに対する疑問の声を受けてFIAは、チームは限られた時間内に次戦に向けてクルマを解体して輸送しなければならず、それまでに「すべてのクルマのあらゆるパラメータをカバー」する事は、連戦のイベントにおいては特に、時間的都合から「不可能」だと説明した。

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