フェルスタッペン、角田裕毅への妨害とピットレーン封鎖を釈明…F1シンガポールで審議乱舞
チームによる無線での警告が不十分であったとして、グリッド降格ペナルティを免れたF1シンガポールGP予選での角田裕毅(アルファタウリ)に対する走行妨害についてマックス・フェルスタッペン(レッドブル)は、「あれは良くなかった」と振り返った。
10連勝というF1新記録を経て臨んだマリーナベイ市街地コースでフェルスタッペンは、3つのペナルティが科せられる恐れと共に11番手という惨めな予選を締め括ったが、スチュワードは聴聞会を経てペナルティを科さず、2件の警告を与えたのみだった。
独「Motorsport-Magazin.com」によると角田裕毅とのインシデントについてフェルスタッペンは、当時は他の無線交信で慌ただしく、間近に接近するまでレースエンジニアのジャンピエロ・ランビアーゼからの警告がなかっため、気づくのが遅れたのだと釈明した。
「あれは良くなかった。あの時は無線で話をしている最中で、彼の事は見ておらず、すぐ背後にまで来た時にやっと知らされたんだ」
「あの一件は僕らの予選を象徴するものだったと思う。兎に角、バタバタしっぱなしでシッチャカメッチャカだった」
レッドブルは聴聞会でこの事実を認め、スチュワードはフェルスタッペンに対する戒告と合わせてチームに罰金5,000ユーロ(約78万8,000円)を科した。
通常、聴聞会には当事者のドライバー達と合わせて両チームの代表者が必ず出席するものだが、アルファタウリはこれを派遣しなかった。
ローガン・サージェント(ウィリアムズ)への妨害に関しては、サージェント本人が否定した事もあり不問となった。
Q1終盤に約14秒間に渡ってピットレーンの出口先頭に留まり続け、ジョージ・ラッセル(メルセデス)やシャルル・ルクレール(フェラーリ)を含む後続のドライバーのコースインを妨害した件に関しては、角田裕毅との一件と同じ様に戒告処分に留められた。
ピットレーン封鎖に関してフェルスタッペンは「誰もがいつもやってる事だ」と説明した。
「グリーンになるとピットレーンに並んでいる最初の1台がコースに出て、2台目はちょっと時間をおいて出ていくのが普通で、誰もが間隔を開けるために待つものなんだ」
「僕が出ようとした時、後ろに大勢のクルマがぎっしり並んでいるのが見えて、このままだと最終シケインで大変な事になりそうだと分かったから、止まって少し待つことにしたんだ。ドラマが起きる可能性を減らすためにね」
「後ろの連中は文句を言ってたけど、僕としてはみんながまとまって出ていくより、その方が安全だと思ったんだよ」
スチュワードはピット出口での「異様に長い待機」にも関わらず、フェルスタッペンはアドバンテージを得ていないと判断。ただし、他のドライバーに「悪影響を及ぼす可能性」があったとして戒告処分を決定した。