ハミルトン「浮き彫りに」マルコを批判、ペレスへの差別的発言…レッドブルF1も容認せず
レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコがセルジオ・ペレスに対して差別的発言を口にした事を受けルイス・ハミルトン(メルセデス)は、指導的立場にある者が持つべき考え方ではないと批判した。
僚友マックス・フェルスタッペンを相手に一貫性を欠くペレスについてマルコは、その一因を民族性に求めてソーシャルメディア上、特にペレスの出身地であるメキシコで非難を浴び、自身の「侮辱的な発言」について謝罪した。
F1における多様性、包括性の向上に向けて積極的に取り組んでいるハミルトンは、シンガポールGPの開幕に先立ち英「Sky Sports」のインタビューに応え、マルコの発言は「全く受け入れられない」と語った。
「このスポーツには如何なる差別の余地もあってはならない。彼のような立場、指導的なポジションにある人物がこういった発言を口にする事は、僕らが前に進んでいく上で好ましくない」
「何よりも、まだやるべきことあるということが浮き彫りになっただけだと思う。舞台裏には、この種のことに立ち向かおうと取り組んでいる人がたくさんいるけど、トップにこういう考え方を持つ人達がいるとすれば目的を達成するのは難しい。正直に言って、驚いてはいない」
本件に関する公式の声明はないが、伝えられるところによるとレッドブルは、チームの取締役であるマルコの発言を「容認しない」とした上で、「チームとしてレースや社会全体に人種差別や外国人嫌悪の余地がないことを強調した」という。
ハミルトンはレッドブルやF1、国際自動車連盟(FIA)が十分な説明責任を果たしていないと感じている。
この件に関して一切の声明がない事についてハミルトンは「これは、単に謝れば万事OKという問題じゃない。もっとやるべきことがあると思う」と答えた。
「特にドライバーなどの個人の発言について、チームは通常、彼らを解雇したり、少なくともこれに言及してそういった事は支持しないと言う声明を出すものだ。だから、この件に対してそれがないのは気になるところだ」
自身のボスの失言についてフェルスタッペンは「僕はヘルムートを教育するに相応しい人物じゃないと思う」とした上で、「彼は自分が何を口にしたのかについて、すぐに気づいて謝罪したと思う」と続けた。
「僕にとっては終わった事だ。間違いを犯したことに気づき、それを正す事は、僕にとって前進を意味する。これはまさに(レースでの競争において)僕らがチームとしてやっていることでもある」