アルファタウリF1、新名称は世界的服飾ブランドか…3つの候補
スクーデリア・アルファタウリは2024年以降、どのようなチーム名に変更されるのだろうか? 報道によると、世界的に知られるドイツの高級ファッションブランド「ヒューゴ・ボス(HUGO BOSS)」が最有力候補で、最終的な決定は9月に下される見通しだという。
設立以来、チーム代表を務めてきたフランツ・トストが今季末を以て退任し、CEOとして元国際自動車連盟(FIA)幹部のピーター・バイエルが加わるなど、伊ファエンツァのチームはレッドブル創設者、ディートリッヒ・マテシッツの死後、大変革の真っ只中にある。
オーナーのレッドブルは昨年末以降、選手権争いで低迷するチームの売却を検討していたが、最終的には再建の道を選び、10億ドル(約1,430億円)と噂される第3者による買収提案を拒否し、新たなタイトルスポンサーの獲得に向けて目下、交渉中と見られている。
蘭「RacingNews365」とハンガリーの「Formula.Hu」によると、アストンマーチンの現在のパートナーであるヒューゴ・ボスが現在、交渉の席に着いているとの事で、「ヒューゴ(HUGO)」あるいは「ボス(BOSS)」、または「ボス・オレンジ(BOSS Orange)」のような名称が考えられるという。
また独「Motorsport-Magazin」は、レッドブルの名前が一部に残るとして「ヒューゴ・ボス・ブルズ・レーシング(HUGO BOSS Bulls Racing)」を挙げている。
ヒューゴ・ボス側の交渉の先頭に立っているのはCEOのダニエル・グリーダーだという。
61歳のスイス人実業家は2014 年から2020 年までトミー・ヒルフィガーで同様の役割を担った人物で、この間にトミー・ヒルフィガーはメルセデスF1及び7度のF1王者であるルイス・ハミルトンと数々のコラボレーションを実施。新たな潜在顧客へのリーチに成功した。
根拠の一つは予算の増加だ。グリーダーがヒューゴ・ボスの経営を引き継いだ際、パンデミックの影響もあり同社の売上高は大幅に減少していた。2025年までの売上40億ドルという目的達成のためにグリーダーが行ったのはマーケティング予算の増加だった。
グリーダーは一昨年、ヒューゴ・ボス傘下のファッションブランド拡大に意欲を示し、他ブランドの買収を仄めかした。そのため、機能性とデザイン性の両立を掲げるファッションブランドとしてのアルファタウリ買収の可能性も指摘されている。
また、2023年よりアルファタウリのプリンシパル・パートナーに就任したポーランドの石油大手、PKNオーレンもタイトルスポンサーへの関心を示しているとされる。
オーレンとの契約の一環として角田裕毅とダニエル・リカルドが駆る2023年型F1マシン「AT04」のリアウィングやレーシングウェアには、同社のロゴとコーポレートカラーの赤があしらわれている。
第3の可能性としてはヒューゴ・ボスとオーレンによるダブルタイトルスポンサーもあり得るとの事だが、この問題に詳しい情報筋によれば、ヒューゴ・ボスが狙っているのは単独での命名権取得であるため、可能性は低いという。