デ・フリース、シーズン途中の交代を除外しないアルファタウリ…後任は岩佐ら若手か、それともリカルドか。トスト語る
ニック・デ・フリースについてスクーデリア・アルファタウリのフランツ・トスト代表は、2023年シーズン途中のドライバー交代の可能性を否定しなかった。後任最有力候補はスーパーフォーミュラに参戦中のジュニアドライバー、リアム・ローソンだ。
F1オーストリアGPのホットトピックの一つはデ・フリースの去就だ。契約を主導したレッドブルのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコが、自らの判断が誤りだったと認めるような発言を口にした事から注目を集める事となった。
英「Autosport」によるとアルファタウリの指揮官はレッドブル・リンクでの週末の初日、デ・フリースの2023年シーズン中の交代の可能性について問われると「決めるのはニックだ。チームが決めることではない。もしニックが良いパフォーマンスを見せれば、我々が彼を変える必要はないだろう?」と答え、その可能性を除外しなかった。
デ・フリースは角田裕毅よりリーダーに相応しいとのマルコの期待を背負って初のF1フルシーズンに臨んだものの、AT04の競争力不足もあって未だポイントを獲得できておらず、チームメイトに対しても完敗といった状況にある。
無論、いくら様々なカテゴリーで経験と実績を積んできたとは言え、トストをして適用するには3年が必要とされるF1での最初のシーズンの序盤を終えたに過ぎずない。サウジやマイアミ、オーストラリア、バクーなど、カレンダー前半の大部分は仮設コースであり、デ・フリースにとっては初めて走行するサーキットばかりであった。
オーストリアを皮切りに本格的なヨーロッパラウンド、つまりシルバーストンやスパ、ハンガリー、モンツァなど、デ・フリースの勝手知ったるコースが続く事から、この先が正念場と言える。トストは「自信を得るのに役立つだろう」と語った。
ただ逆に言えば、活躍、復調が期待されるこれらの場所でマルコを含む首脳陣を認めさせるだけの結果を残さなければ、シートを失う可能性は十分にありそうだ。おそらくはデ・フリースにとっての母国、オランダGPが岐路になるのではないだろうか。
仮にシーズン途中で解雇された場合、後任ドライバーは誰になるのだろうか?
マルコは以前、育成ドライバーのリアム・ローソンと岩佐歩夢の名前を挙げた。両者は共に、スーパーフォーミュラとFIA-F2選手権でタイトルを争う活躍を見せている。ただ、現時点でスーパーライセンスを持つのは21歳のニュージーランド人ドライバーだけだ。
ローソンについてトストは「リアムは昨年、我々のチームから参加したアブダビ(テスト)で良い仕事をしてくれた。かなり厳しい選手権であるにも関わらず、今は日本でも素晴らしい活躍を見せている」と評価した上で、最終的には「パフォーマンス次第」だと強調した。
「まずはどのドライバーが利用可能を確認し、その中からシッカリと教育され、十分に成熟し、F1マシンに乗る準備ができているドライバーを検討していく必要がある。これは今後明らかになるだろうが、現時点では何も決まっていない」
「イワサは良い仕事をしているし、(アイザック・)ハジャーもそうだが、彼らは少し時期尚早だ」
レッドブルとアルファタウリには若手ではなく、経験豊富なベラランドライバーというカードもある。2024年のアルファタウリでのF1復帰に前向きとされるサード・ドライバーのダニエル・リカルドだ。
だが本人は今シーズン中の復帰には興味がないと噂されており、途中交代要員となる可能性は乏しく、注目されるのはシーズン終了後にアルファタウリのシートが空いた場合のオプションとなり得るかどうかだ。
33歳のオーストラリア人ドライバーについてトストは、アルファタウリはあくまでもシニアチームのための若手育成機関としての役割を担う場であると強調しつつも、若手の準備が整っていない場合は選択肢になり得ると説明した。