リスキー? 練習僅か1時間、アゼルバイジャンGPでのアプグレを計画するF1チーム
通常、スプリントフォーマットが採用される週末でのアップグレードの投入は敬遠される傾向にある。効果検証と調整のために使えるプラクティスでの走行時間は限られ、イニシャルセットアップを外せば大きく後手に回る事になる。
2023年のF1第4戦アゼルバイジャンGPは、今季初のスプリントが開催されるだけでなく、新フォーマットの導入によりフリー走行が合計1時間に削減される見通しだが、それでも幾つかのチームは新たな開発物を持ち込む計画を立てている。
その中の一つはマクラーレンだ。豪「Speedcafe」によるとチーム代表を務めるアンドレア・ステラは、バクー市街地コースにアップグレードを持ち込む事を明らかにし、「新たな一歩を踏み出す」と語った。
「ゲームチェンジャーになるものではないが、複数回に渡るアップグレードの最初のステップであり、波乱に頼る事なく実力によって将来的にポイントを争える状態になることを望んでいる」
F1コミッションにおける投票と世界モータースポーツ評議会(WMSC)での承認が必要で、現時点では確定事項ではないものの、バクーでの2日目に予定されているFP2はスプリント用の予選に置き換えられる計画だ。
つまりチームは、通常の3分の1の時間でセットアップ作業に取り組み、路面とタイヤについて学ばなければならない。
そんなただでさえ慌ただしい週末にアップグレードを持ち込めば、検証やデータ取りのための空力テストはもちろん、その調整は困難を極めそうなものだが、ステラは「異常な挙動がなければ、比較的容易だ」と主張する。
「現代のF1にはデータがある。測定された負荷、センサーを通して収集したクルマの周囲の圧力マップを通して空力パフォーマンスを読み取る事が可能だ」
「したがって何らかの異常がない限り、アップグレードがプラスかどうかを評価することに関しては、あまり心配していない」
「これまでのところ、このクルマは開発時のデータとの相関が良好である事が証明されている。だからこそ、スプリントが採用される週末であっても、導入を決定したのだ」
今年のアゼルバイジャンGPは少しばかりイレギュラーな立場にある。シーズン初のヨーロッパ戦であることに加えて、近年としては異例の長期中休み開けの初戦を務める。
マクラーレンの他には、3戦連続で表彰台を重ねるアストンマーチンがコース特性に応じたリアウィングに加えて幾つかのアップグレードを持ち込み、開発競争で足枷を嵌められたレッドブルも何らかの開発パーツを導入する計画だと噂されている。