F1アゼルバイジャンGPの舞台、バクー市街地コースのホームストレートとピットの空撮写真、2022年6月9日
Courtesy Of Alfa Romeo Racing

F1チーム、第4戦での新方式導入に合意との報道…フェルスタッペンが早期引退を仄めかす中

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スプリント嫌いのマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が引退を仄めかす中、RacingNews365によるとF1オーストラリアGPの決勝当日の朝に行われた会合を経てF1チームは、第4戦アゼルバイジャンGPでの新たなフォーマットの導入に合意した。

これは週末に2回の予選を実施するという計画で、2日目土曜の午前に予定されていたFP2はスプリントのための予選に置き換えられる。初日の午後に行われる予選は従来通り、3日目の決勝レースのためのグリッド争いとして行われる。

スプリント用の予選は従来の予選と同じくQ1からQ3までの3ラウンド制が採用される。全車1ラップのみのタイムアタックとするアイデアは否決されたようだ。

ただ正式採用に際しては、F1コミッションでの投票により全30票(F1チーム:各1票、FIA:10票、F1:10票)中、28票という圧倒的多数での賛成が必要となり、最終的には世界モータースポーツ評議会(WMSC)での承認が求められるため、導入が確定したわけではない。

新フォーマット云々以前に、F1チーム代表の中にはアゼルバイジャンGPでのスプリントの開催事態に疑問の声を上げるものもあった。

バクー市街地コースでスプリントが行われるのは今回が初。「半モンツァ、半モナコ」とも称されるこの場所では例年、決勝レースで数多くのクラッシュが発生する。初開催の2016年には7台がリタイヤを余儀なくされた。

ハースのギュンター・シュタイナー代表やアルピーヌのオトマー・サフナウアー代表は、オーストラリアGPの後に4週間の中休みがある事に触れて、スペアパーツを作るための時間は十分にある等として懸念はないと主張した。

一方でレッドブルのクリスチャン・ホーナー代表は予算上限に触れて「クルマをゴミにして多額の費用を支払う事にしか繋がらない」と批判的な見解を口にした。

また、全10チームの中で最速のマシンに乗るフェルスタッペンは、ポイント付与が少ないスプリントは「生き残るためのものであってレースではない」「F1のDNA」とは相容れない等として、開催数が増えれば自身にとってのF1の「価値はなくなる」と早期の引退を仄めかした。

また、ポルトガルの放送局「Sport TV」とのインタビューの中では「あまり大きな変化がないことを願っている。そうでなければ僕はあまり長くはいないだろう」とも語った。

対照的にメルセデスのドライバー達は変化に対して前向きな姿勢を見せている。

GPDAディレクターのジョージ・ラッセルは、導入当初こそ「ファンではなかった」が、実際にやっていく中で「好きになってきた」と明かした。また「変化し続ける他にない」とも述べ、ステファノ・ドメニカリCEOが率いるF1が「正しいと信じるものは何でも支持するつもりだ」と付け加えた。

ルイス・ハミルトンは「常に進化し続け、自分たちのやっている事を評価」する必要があるとした上で、「ファンにとってより包括的で、より魅力的なものにし続けるために、あらゆる変化に対してオープンだ」と語った。

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