オランダGPでオランダ国旗を掲げ優勝を喜ぶマックス・フェルスタッペン
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フェルスタッペン、またも母国完勝「一筋縄にはいかなかった」角田裕毅は2年連続DNF / F1オランダGP《決勝》結果とダイジェスト

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2022シーズンのFIA-F1世界選手権第15戦オランダGP決勝レースが9月4日に行われ、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が2年連続となる母国ポール・トゥ・ウインを飾ると共に、7月のフランスGPから続く連勝記録を4に伸ばした。

戦略の違いとセーフティーカー(SC)の導入によりリードを譲る場面がありながらも、その都度、難なくオーバーテイクを決める圧倒的な強さを見せ、ファステストラップを加えた満額26点を加算した。

優勝インタビューに答えたフェルスタッペンは「一筋縄にはいかず、プッシュし続けなきゃならなかった。VSCとセーフティーカーが導入される中、適切な判断を下す事ができた」と語った。

2位はジョージ・ラッセル(メルセデス)。ハードタイヤでの好ペースとタイヤ戦略が功を奏し、今季ベストリザルトを達成した。2番グリッドのシャルル・ルクレール(フェラーリ)はフェルスタッペンに迫る場面を全く作れず、3位表彰台でレースを終えた。

ルイス・ハミルトン(メルセデス)は一時ラップをリードしたものの、SCの際にステイアウトした事が響いて最終盤のスプリントレースでポジションを落とし、4位でフィニッシュした。

チームの戦略的に判断に対しては怒りを爆発させ、無線で「お前ら、信じらんねえよ。糞ったれ。一体どれだけ腹が立っていることか…」とぶちまけた。

カルロス・サインツ(フェラーリ)は5位でフィニッシュしたものの、アンセーフリリースに伴う5秒ペナルティを受けて8位に降格。代わってセルジオ・ペレス(レッドブル)が5位に昇格した。

フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)はレースを通してポジション争いを繰り広げたランド・ノリス(マクラーレン)を抑え、13番グリッドからの逆転6位入賞を果たした。

9位はエステバン・オコン(アルピーヌ)。10位にはランス・ストロール(アストンマーチン)が滑り込んだ。

アルファタウリ勢はノーポイントに終わった。

角田裕毅は入賞を射程に捉える位置を走っていたものの、デフと思われるメカニカルトラブルに見舞われリタイヤを余儀なくされた。オランダGPでのリタイヤは2年連続だ。昨年大会はドライブトレインの問題でレースを終えている。

チームメイトのピエール・ガスリーは入賞まで4.55秒届かず、11位でヘルメットを脱いだ。

オランダGPをトップでチェッカーフラッグを受けたマックス・フェルスタッペンを祝うレッドブルのクルー達Courtesy Of Red Bull Content Pool

オランダGPをトップでチェッカーフラッグを受けたマックス・フェルスタッペンを祝うレッドブルのクルー達

レース概要

決勝は日本時間4日(日)22時にブラックアウトを迎え、1周4,307mのコースを72周する事で争われた。

現地は上空全体に雲が広がり、チャンピオンシップポイントを争う決勝のフォーメーションラップは気温22.7℃、路面34.7℃、湿度76%、気圧1017hPaのドライコンディションで開始された。

公式タイヤサプライヤーのピレリは最も硬いレンジのC1からC3までのコンパウンドを投入。メルセデス、ハース、ランド・ノリス(マクラーレン)、アレックス・アルボンはミディアムをスタートタイヤに選択。他はソフトをチョイスした。

オープニングラップでは、ターン1でハミルトンとサインツがサイド・バイ・サイドとなり軽く接触するシーンがあった。蹴り出しで出遅れた角田裕毅は2つポジションを落として11番手に後退した。

2周目にはケビン・マグヌッセン(ハース)がターン1でコースアウト。ウォールに接触したもののクルマにダメージはなく、15位でフィニッシュした。僚友ミック・シューマッハは13位でクルマを降りた。

2ストッパーが有力視される中、最初にピットが動いたのは11周目。ガスリーとダニエル・リカルド(マクラーレン)がミディアムタイヤに履き替えた。

上位勢としては15周目に3番手サインツがいち早く動いたものの、左リアタイヤが用意されておらず、作業に12.7秒を要してポジションを大きく落とした。

同じタイミングでピットインした隣のガレージのペレスは、交換を終えてファストレーンに出る際に、地面に転がっていたフェラーリのホイールガンに乗り上げる場面があった。

ペースで遅れを取るルクレールは17周目にミディアムに交換。アンダーカットを防ぐべく、ラップリーダーのフェルスタッペンは19周目に同じミディアムに履き替えた。

失うものが何もないメルセデス勢は異なる戦略で打倒フェラーリを狙いにいった。ハミルトンは30周目に、ラッセルは32周目にそれぞれハードタイヤに交換。1ストッパー狙いだ。

レースは大きなインシデントもなく進行していたが、44周目にピットアウトした直後の角田裕毅がコース脇にクルマを停めた。

バーチャル・セーフティーカー(VSC)導入の可能性が出た事でステイアウトしていたルクレールにチャンスが到来したかに思われたが、22号車アルファタウリAT03は再び始動。そこでルクレールは46周目にハードタイヤに履き替えた。

角田裕毅はタイヤがきちんと取り付けられていない可能性があると報告したが、チームからは問題なしの判断。ピットに戻ってソフトタイヤに交換すると共に、シートベルトを締め直して再びコースに向かった。だが、やはり問題があったようで再び停車。VSCが導入された。

メルセデスの好ペースを目の当たりにしたレッドブルはこの機を利用してフェルスタッペンにハードタイヤを履かせた。対するメルセデスはダブルストップを行い、2台にミディアムタイヤを履かせた。

低速走行を義務付けるVSC導入下ではハードに熱が入るはずもなく、フェルスタッペンを含めて最も固いコンパウンドを履いたマシンはリスタート後、軒並みラップタイムを大きく落とした。

このまま何事もなくチェッカーが振られるかに思われたが、56周目にバルテリ・ボッタス(アルファロメオ)がホームストレート上で停車。黄旗が振られた後、SCが導入された。パワーユニットのトラブルと見られる。

熱入れの悪いハードを嫌ったレッドブルは、トラックポジションを失う事を前提にフェルスタッペンをピットインさせてソフトタイヤに交換した。ルクレールもソフト、ペレスはミディアムに履き替えた。

メルセデスは2台で戦略を分け、フェルスタッペンのピットストップによりラップリーダーに浮上したハミルトンをステイアウトさせると共に、ラッセルにはソフトタイヤを履かせた。

61周目にリスタートを迎えると、フェルスタッペンはターン1で難なくハミルトンを交わして早々に首位を奪還。ミディアムのペレスはソフトのサインツに追い抜きを許し、6番手に後退した。

63周目のホームストレートでは、ハミルトンが走行ラインを変える素振りを見せた事で、追い抜きを仕掛けたラッセルがリアに衝突しそうになる場面があったものの、ターン1で無事に抜き去っていった。

ハミルトンを抜いた後のフェルスタッペンは余裕のクルージングで今季10勝目をマーク。シーズン残り7戦でチャンピオンシップでのリードを109ポイントにまで広げた。

2022年F1第15戦オランダGP決勝リザルト

Pos No Driver Team Laps Time PTS
1 1 マックス・フェルスタッペン レッドブル・RBPT 72 1:36:42.773 26
2 63 ジョージ・ラッセル メルセデス 72 +4.071s 18
3 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 72 +10.929s 15
4 44 ルイス・ハミルトン メルセデス 72 +13.016s 12
5 11 セルジオ・ペレス レッドブル・RBPT 72 +18.168s 10
6 14 フェルナンド・アロンソ アルピーヌ・ルノー 72 +18.754s 8
7 4 ランド・ノリス マクラーレン・メルセデス 72 +19.306s 6
8 55 カルロス・サインツ フェラーリ 72 +20.916s 4
9 31 エステバン・オコン アルピーヌ・ルノー 72 +21.117s 2
10 18 ランス・ストロール アストンマーチン・メルセデス 72 +22.459s 1
11 10 ピエール・ガスリー アルファタウリ・RBPT 72 +27.009s 0
12 23 アレックス・アルボン ウィリアムズ・メルセデス 72 +30.390s 0
13 47 ミック・シューマッハ ハース・フェラーリ 72 +32.995s 0
14 5 セバスチャン・ベッテル アストンマーチン・メルセデス 72 +36.007s 0
15 20 ケビン・マグヌッセン ハース・フェラーリ 72 +36.869s 0
16 24 周冠宇 アルファロメオ・フェラーリ 72 +37.320s 0
17 3 ダニエル・リカルド マクラーレン・メルセデス 72 +37.764s 0
18 6 ニコラス・ラティフィ ウィリアムズ・メルセデス 71 +1 lap 0
NC 77 バルテリ・ボッタス アルファロメオ・フェラーリ 53 DNF 0
NC 22 角田裕毅 アルファタウリ・RBPT 43 DNF 0

コンディション

天気曇り
気温22.7℃
路面温度34.7℃

セッション概要

グランプリ名 F1オランダGP
レース種別 決勝
レース開始日時

サーキット

名称 ザントフォールト・サーキット
設立 1948年
全長 4307m
コーナー数 14
周回方向 時計回り

F1オランダGP特集