ペレス、トラックリミット誤判定に不満「システムが追いついていない」プロセス改善を訴える
ハンガロリンクで行われた30日(土)のF1ハンガリーGP公式予選でトラック・リミットの誤判定に見舞われたセルジオ・ペレスは、統括団体の国際自動車連盟(FIA)に対して判定プロセスの改善が必要だと訴えた。
ペレスはQ2の最初のフライングラップで1分18秒516を記録したものの、ターン5でトラック・リミット違反があったとしてラップタイムを抹消された。この結果、新品ソフトをもう1セット使って再びコースに出た。
ところがFIAスチュワードはその後、ペレスが当該コーナーで白線の内側に留まっていた事が明らかになったとして違反判定を覆した。ヘルメットを脱いだペレスは「期待外れの予選だった」と振り返った。
「Q2ではトラック・リミットで最初のラップが抹消されてしまったため、2セット目のタイヤを使わなきゃならなかった」
「その後、判断が撤回されてタイムを取り戻したけど、既にセッションに影響が出てしまっていた。あれはちょっと、どうかと思う」
ペレスはF1オーストリアGP予選でもトラック・リミット判定に翻弄された。Q3で4番手タイムを刻んだものの、Q2で記録したベストラップの際にコース外走行があったとして、Q3を含む当該ラップ以降の全てのタイムが抹消された。
FIAの不手際という点でペレスは1週間前のフランスGPでも不運な目に遭った。決勝レースの終盤に導入されたセーフティーカーからの再スタートの際、ハードウェアの不具合によって3位表彰台を逃した。
トラック・リミットの判定方法はアナログだ。センサーを使って自動的に判断するのではなく、スチュワードはコースサイドの映像、オンボードカメラ、CCTVを組み合わせて違反の有無を判断する。
The Raceによるとペレスは「兎に角、システムが追いついていないと思う。どうすればもっと一貫性を保てるか、見直す必要があると思う」と述べ、判定プロセスの改善が必要との認識を示した。
判定ミスによって本来であれば使う必要のないタイヤを使ったり、あるいはエンジンを含むマシンのマイレージを無駄に失うような状況は決して好ましいものではない。
ペレスは結局11番手でQ2敗退を喫したが、それはトラック・リミットとは無関係の不運によるものだった。Q2最終アタックの際、ペレスはトラフィックに見舞われタイムを失った。
「ケビン(マグヌッセン)がターン2で僕の邪魔をしてきたせいで、コーナーを大きく膨らんでコンマ数秒を失ってしまったんだ」とペレス。
「残念だけど、あれ以上のことはできなかった。僕にとってはあまり良い予選にはならなかった」
「壁のないモナコ」と称されるハンガロリンクでの巻き返しは決して容易ではないが、ペレスはチャンピオンシップでのダメージを最小限に抑えるべく、日曜のレースで全力を尽くすと誓った。
「今のところクルマの感触はあまり良くないけど、明日は良くなるだろうから、ペースを上げてしっかりとポイントを獲れるよう挽回していきたい」
30日(土)のF1ハンガリーGP予選では、ジョージ・ラッセル(メルセデス)がキャリア初のポールポジションを獲得。2番手にカルロス・サインツ、3番手にシャルル・ルクレールと、後方にフェラーリの2台が続く結果となった。
2022年F1ハンガリーGPの決勝レースは日本時間7月31日(日)22時にフォーメーションラップが開始され、1周4381mのハンガロリンクを70周する事でチャンピオンシップを争う。