レッドブルF1、開発予算8割残す? スペインGP以上に注目のイギリスGPでのアップグレード
伝えられるところによるとエイドリアン・ニューウェイ率いるレッドブル・レーシングの技術チームは、次戦F1スペインGPと第10戦F1イギリスGPで大規模なアップグレードを投入する計画で、今季のマシン開発予算をまだ8割以上を残していると言う。
技術レギュレーションが刷新された事で、今年は例年以上にシーズンを通した車体開発がチャンピオンシップの最終結果を左右し得る。各チームが投じたマシンはまだまだ成長途上にあり、アップグレードによって序列は大きく変化する可能性がある。
レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表が費用対効果の重要性を強調するように、2022年シーズンは1億4000万ドル(約180億円)のバジェットキャップが設けられており、また輸送費の高騰もあって、如何に効率良く予算を使うか、如何に適切なタイミングで適切なエリアに資金を投じるかが選手権の鍵を握る。
こうした背景から今季は特に予算状況が注目を集めているわけだが、フェラーリの母国、Motorsportイタリアはレッドブルが既に75%の予算を使い切った可能性があるとのパドックの噂を伝えた。
これが事実であればヨーロッパラウンドでのミルトンキーンズのチームの失速は免れないが、レッドブル・レーシングのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコはこれを「ナンセンス」だと切り捨てた。
実際の消化済み予算はチーム以外知る由もないが、RacingNews365は「18%に満たない」と報じ、バルセロナでの第1回プレシーズンテスト以降のレッドブルの空力開発は、ボディワークと各サーキットの荷重要件に応じた前後ウイングにのみ焦点が当てられており、それ以外としては軽量化を目的としたフロアの再設計だけだと指摘した。
次戦スペインGPではディフューザーとフロア周りの改良に加えて、3~5kgの更なる軽量化が行われると考えられているが、報道によると7月上旬にシルバーストンで開催されるイギリスGPでは、より大規模な空力アップグレードの投入が計画されていると言う。
バルセロナに大掛かりなアップグレードを持ち込むのはレッドブルだけではない。
フェラーリはボディーワーク全般を見直した上で、最小重量798kgに近づけるべくマシンの塗装を見直すなどして2~3kgの減量を行うとみられている。注目は今季初のポーパシング対策となる新型フロアが投入されるかどうかだ。
またアルファロメオは不得手な高速コーナーでのパフォーマンス向上を目指し、ダウンフォース増強のための新たな開発物を投じるとみられており、アストンマーチンもポーパシング対策として「Bスペック」と呼ぶに相応しい程の大規模アップグレードを持ち込むと噂されている。
ただしバルセロナではランス・ストロールのマシンにのみ搭載される見通しとの事で、セバスチャン・ベッテルが新パーツの恩恵を受けるにはまだ数戦を待つ必要があるとも伝えられている。