メルセデス脱落…2022年F1開幕に向けたチーム間序列ランク予想、最有力はレッドブル?フェラーリ?
計6日間に渡るF1プレシーズンテストの日程が全て終了した。開幕バーレーンGPに向けての最大のトピックは「誰が一番速いのか」だ。チーム間序列について本場の専門家達はどうみているのか?
全会一致でレッドブルが最有力
Sky SportsのF1アナリストにして英国人元F1ドライバーのマーティン・ブランドルとアンソニー・デビッドソンは共に、ルイス・ハミルトン擁するメルセデスを優勝候補から除外し、レッドブルの名を挙げた。
冬のテストを通して印象を与え続けたのはフェラーリだが、レッドブルが新型サイドポッドを含む一連のアップグレード・パッケージをテスト最終日に持ちこんだ事で流れが一変した。
マックス・フェルスタッペンは最終3日目の夜にC5コンパウンドでテスト総合トップとなる1分31秒720をマーク。同じタイヤで計測したメルセデスのジョージ・ラッセルに1秒以上の差をつけた。
「エアロパッケージがレッドブルに大きな前進をもたらした事に疑問の余地はない」とブランドルは語る。
「レッドブルは純粋なペースとロングランペースの両方で形勢を前に押し上げた」
デビッドソンはレッドブルがシーズン序盤の有力候補であることに同意し「何かを見出したようで凄く良い感じに見える」と付け加えた。
バランス、速さの両方で懸念材料がないとして、英国出身のF1公式レポーター、ウィル・バクストンもまた、クルマが持つポテンシャルという観点でレッドブルを一押しとした。
とは言えフェラーリが蚊帳の外に置かれたわけではない。チーム代表のマッティア・ビノットやカルロス・サインツは否定するものの、パドックでは今も多くが序盤戦のコンテンダーだと考えている。
脱落したメルセデス
トップ4に関してブランドルとデビッドソン、そしてバクストンは同じ見解を示した。3名は筆頭候補のレッドブルにフェラーリが続き、現時点での3番目のチームがメルセデスだと考えている。
昨シーズンの序列1位、コンストラクターズ選手権9連覇に挑むメルセデスはテスト最終日に改善を見せ、幾らか上位との差を縮めたが、何しろポーパシングが他のチームよりも明らかに酷く、W13に備わる本来のポテンシャルを発揮できていない。
デビッドソンは「まだ引き出せるものがあるとは思うけど、バウンシングの問題でドライバー達は上手くドライブできていないように見える」と指摘。バクストンは「解決すべき課題はあるが、だからといって彼らがミッドフィールドに入るとは思えない」と語った。
4番目のチームにはマクラーレンの名が挙がった。英国ウォーキングのチームはバルセロナで輝きを放っていたが、サクヒールではブレーキトラブルが響き一歩後退した。
バクストンは「マクラーレンは速すぎるが故に制動に苦労している」とユーモアたっぷりに説明した。
意見分かれる中団
トップ5以降の中団に関しては意見が分かれた。Sky F1組はアストンマーティン、アルピーヌ、アルファタウリをミッドフィールド上位に位置づけた。
アストンマーチンについてブランドルは 「テストはまずまずで、一貫性があり、クルマはかなり運転しやすそうだった」と述べ、デビッドソンは「もし燃料を軽くしたらアルピーヌより速いと思う」と主張した。
ブランドルは3チームの実力が拮抗しているとみているが、デビッドソンは角田裕毅とピエール・ガスリー擁するファエンツァのチームを他よりも少し後方に置いた。
バクストンはアルピーヌとアストンマーチンの代わりにアルファロメオ(理由:速いけど壊れやすい)とハース(理由:ライバルがペースとポテンシャルを警戒している)が中団上位との見方を示した。
フィールド後方についてSky F1組は、昨年の下位3台(ウィリアムズ、アルファロメオ、ハース)が今季序盤もワースト3を争うだろうと予想した。
デビッドソンはアルファロメオについて「C3タイヤにも関わらず、ボッタスが(テスト総合)5番手を刻んだラップは良かった」と指摘。バクストンはウィリアムズについて「ポテンシャルがあり期待できるが、最後の混乱(ブレーキ出火)で後手に回ってしまった」と評価した。
搭載燃料量、コンパウンド、プログラム、エンジンモードと、条件が一律でないためにテストのみで結論を導き出す事は難しい。また、開幕バーレーンGPの決勝までには5日間のオフと3回のフリー走行、そして予選が残されている。
シーズンオープナーでトップチェッカーを受けるのは誰か。グランドエフェクトカーが導入された新時代F1は3月18日のフリー走行1で幕を開ける。