FIA、2026年のF1エンジン規制で「電動重視」の350kW…予算上限も導入
国際自動車連盟(FIA)は12月15日の世界モータースポーツ評議会(WMSC)を経て、MGU-Hの廃止や予算上限を含む2026年導入予定の次世代F1パワーユニット・レギュレーションの大枠を承認した。
現行の1.6リッターV6ハイブリッド・ターボエンジンは維持されるものの、幾つかの仕様は変更される。柱となるのは以下の4つだ。
- 1.6リッターV6エンジンの継続
- 電気出力を350kWに増加
- MGU-Hの廃止
- コスト上限の導入
具体的な数値は示されていないが、2026年以降はパワーユニット・メーカーの予算に上限を設ける方向性が正式に確認された。F1は今季よりチームに対するコストキャップを導入しているが、パワーユニット開発は対象外となっている。
熱エネルギー回生を司る複雑奇怪なMGU-Hは廃止されるが、「電動重視への移行」を合言葉に、パワーユニットが生み出す総電力は120kWから350kW(約476馬力)へとほぼ3倍に引き上げられる。
なおICE(内燃エンジン)は現行の1.6リッターV6ターボを維持するが、環境保全に対する「強力なメッセージ」を発進すべく燃料は100%持続可能なものへと変更される。
またメーカーが「競争力あるレベル」でF1に新規参戦できるよう取り計らっていく事が合意された。現在、フォルクスワーゲングループのポルシェとアウディが参入を希望している。
両ブランド、あるいはその内の一つの新規参戦が実現するのかどうか、そしてそれがレッドブルとの提携という形なのか、それとも独立したプロジェクトとしてなのか、VWグループは今月中に参戦の是非を最終決定する見通しだ。
当初はこの日の会合でレギュレーションの最終決定が期待されていたが、それは叶わなかった。FIAは2026年のパワーユニットレギュレーションの詳細な仕様を、来年早々に行われるWMSCに提出する計画だと説明した。