シュワルツマン最速、レッドブル・ホンダは9番手…18インチ履く新車は「0.5秒ダウン」2021年F1アブダビテスト最終日結果
12月15日(水)にヤス・マリーナ・サーキットで行われたF1アブダビテスト最終2日目、フェラーリ・ドライバー・アカデミー(FDA)所属のロバート・シュワルツマンがハースの2021年型「VF-21」を駆りタイムシートのトップに立った。
今季FIA-F2選手権でアルピーヌ・ジュニア所属のオスカー・ピアストリに次ぐランキング2位を獲得した22歳のロシア人ドライバーはこの日、他の9名が18インチタイヤでのテストに取り組む中、唯一現行マシンをドライブした。財政的負担を理由にウィリアムズは参加を見送った。
シュワルツマンは1分25秒348を記録。初日の若手ドライバーテストで今季フォーミュラEチャンピオンのニック・デ・フリース(メルセデス)が刻んだトップタイムより2秒以上遅かった。
現行ドライバーによる型落ちのミュールカーでの来季18インチ・ピレリタイヤテストの方は、マクラーレンのランド・ノリスが最速を刻んだ。ピレリは各チームに5種類のコンパウンドを供給した。
セバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)は序盤に油圧系のトラブルに見舞われ赤旗の原因を作ったが、その後巻き返してノリスに次ぐ3番手タイムを記録した。
ホンダF1パワーユニット勢は、マックス・フェルスタッペンから作業を引き継いだセルジオ・ペレス(レッドブル)が9番手、ピエール・ガスリー(アルファタウリ)が5番手タイムをマークした。
初日のグレイニング発生とデータ分析を経て、ピレリは2日目にフロント側の内圧を21.5psiへと変更し、初日より1.5psi下げた。リア側は17.5psiのまま。これによりグレイニングに関して幾らか状況が改善された。
タイヤウォーマーの温度も、来年の規約に合わせてフロント、リアともに70℃に設定された。これまではフロントが100℃、リアが80℃だった。
今回のテストで各チームが走らせたのは型落ちのミュールカーであり、2022年の新車はエアロダイナミクスもブレーキも全く異なる上に、ホイールリムカバーも装着される。故に本テストのタイムシートから何かを予想する事は難しい。
ピレリのモータースポーツ部門を率いるマリオ・イゾラは、最新のシミュレーション分析を経て新車が現行型より0.5秒ほど遅くなるとの試算を各チームが出している事を明かした上で、開発競争によってそのギャップは来季終盤までに埋まるだろうとの考えを示した。
Pos | Driver | Team | Time | Gap | Tyre | Laps |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | シュワルツマン | ハース | 1:25.348 | ー | 若手 | 130 |
2 | ノリス | マクラーレン | 1:25.809 | +0.461s | C5 | 134 |
3 | ベッテル | アストンマーチン | 1:26.379 | +1.031s | C5 | 134 |
4 | ラッセル | メルセデス | 1:26.404 | +1.056s | C5 | 82 |
5 | ガスリー | アルファタウリ | 1:26.451 | +1.103s | C5 | 149 |
6 | サインツ | フェラーリ | 1:26.706 | +1.358s | C5 | 151 |
7 | アロンソ | アルピーヌ | 1:26.940 | +1.592s | C5 | 148 |
8 | 周冠宇 | アルファロメオ | 1:27.850 | +2.502s | C5 | 150 |
9 | ペレス | レッドブル | 1:27.991 | +2.643s | C5 | 118 |
10 | フィッティパルディ | ハース | 1:28.622 | +3.274s | C5 | 123 |
本テストの閉幕により、2021年シーズンの全ての公式セッションが終了した。