30種類1568本…ピレリF1、2022年18インチ導入に向け計2万kmを重ねて全タイヤテストを完了
アルピーヌとダニール・クビアトによる10月18日(月)のポール・リカールでのウェット走行を終え、2022年シーズンの18インチ扁平タイヤ導入に向けて行われてきたピレリによる全てのテストプログラムが完了した。
現行13インチからの切り替えに際してピレリは、プロファイル、構造、コンパウンドなど、タイヤのあらゆる要素を全面的に見直した。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックによりカレンダーが凍結された昨年はオントラックテストが制限されたため、ファクトリーでの研究開発にフォーカスして1万時間以上の屋内テストと5,000時間以上のシミュレーションに取り組んだ。
その結果、シミュレーター上で70種類以上もの試作品が開発され、その中の30種類が実走テストに向け実際に製造された。そして今年、ウィリアムズを除く全F1チームの協力を得て、2022年の次世代型マシンのダウンフォースレベルを再現したミュールカーを使いテストを繰り返してきた。
実走テストは今年、ウェットとドライを含めて計28日間に渡って実施された。パンデミック以前の2019年末から2020年初めにかけて行われたものを含めると36日間に及ぶ。
使用されたコースはヘレス、バーレーン、イモラ、バルセロナ、ポール・リカール、レッドブル・リンク、シルバーストン、ハンガロリンク、マニクールと9箇所に上った。今季レギュラー参戦の15名を含む計19名のドライバーがステアリングを握った。
トータルマイレージは4267周、距離に換算すると地球半周分に相当する2万キロ以上に達した。使用されたセット数は392セット、1568本に及んだ。
ピレリのモータースポーツ部門を率いるマリオ・イゾラは、最終アブダビGP後にヤス・マリーナ・サーキットで行われる2日間のポストシーズンテストに最終仕様の18インチを持ち込む計画だと明かした。
「来年も幾らかテストを行う事ができる。それはつまり、必要に応じて2022年の新車を使って微調整する事ができるという事だ」とイソラは語る。
「FIAの認証を経て、アブダビGP後のテストでドライバー達は最終スペックの18インチタイヤを試す事になるが、2022年型マシンでの初走行は来年のプレシーズン・テストを待たなければならない」