フェルスタッペン、劇的結末で初タイトル「こんなのどうかしてるよ!」去るホンダ、レッドブル、献身のペレスに愛と感謝伝える
レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンはアブダビでのF1最終決戦で劇的なポール・トゥ・ウインを飾り、自身初、オランダ人ドライバー初のF1ワールドチャンピオンに輝いた。
新チャンピオンの誕生は2016年のニコ・ロズベルグ以来で、メルセデス以外のドライバーがタイトルを獲得するのは2014年に始まったV6ハイブリッド時代初。最終ラップでトップを奪い返したフェルスタッペンはこの大逆転劇を「どうかしてる」と表現した。
「レース全体を通して、僕は戦い続けた。そしてファイナルラップであのチャンスが訪れた。信じられないよ。今も震えが止まらない。こんなのどうかしてるよ!」
自身のミスであればいざ知らず、第6戦アゼルバイジャンGPでのタイヤバーストや、第11戦ハンガリーGPでの多重クラッシュなど、不運に見舞われ多くのポイントを失うシーズンを過ごしてきただけに、フェルスタッペンは「最後に、ちょっとした幸運が訪れた」 と付け加えた。
同一ポイントでルイス・ハミルトン(メルセデス)と並んだ最終決戦の土曜日、フェルスタッペンは予選最速を刻んでポールポジションを獲得したが、日曜のレースのスタートで大きく出遅れ早々にトップを失った。
その後はハミルトンに引き離され、為す術なき状況が続いてきたが、最終盤にニコラス・ラティフィがクラッシュした事でセーフティーカーが導入されるまさかの展開に。レッドブル・ホンダ陣営はこの好機に全てを懸け、フェルスタッペンを再びピットに入れソフトタイヤを履かせた。
ファイナルラップでレースが再開されると、フェルスタッペンは1本目のバックストレートでハミルトンを抜き去った。シケインの後にはもう1本のストレートが続く。フェルスタッペンはアウト側から仕掛けてきたハミルトンを全力で押し留め、そのままウィニングチェッカーを受けた。
レース中盤には、ハミルトンの行く手を阻むため、チームメイトのセルジオ・ペレスが壁となって果敢に立ちはだかった。摩耗したタイヤにもかかわらず1周半に渡って抜きつ抜かれつの激闘を演じ、フェルスタッペンは5秒のゲインを得た。
「チェコにも感謝してる」とフェルスタッペンは語った。
「彼は今日も強い意思を以て素晴らしいドライビングをしていた。最高のチームワークだし、彼はこれ以上ない素晴らしいチームメイトだ」
2015年に17歳という若さでトロ・ロッソからF1デビューを果たしたフェルスタッペン。才能を信じ、キャリアを支え続けてきたチーム代表のクリスチャン・ホーナーとモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコにも感謝の言葉を捧げた。
「チームのみんなへ、僕がみんなの事を愛してるって事は分かってくれてると思うけど、この先10年、15年と一緒にやっていける事を願ってる。一生、彼らと一緒にやっていきたい。彼らがそれを認めてくれると良いんだけど」
「本当に激しかった。でも凄く幸せだ。それに2016年にこのチームに加わって以来、クリスチャンだけでなくヘルムートも僕を信頼し続けてくれた。目標としていたのはもちろん、このタイトル争いに勝つ事だった。そして今、遂にやってのけた」
「チームのみんな、そしてもちろん、ホンダもそうだけど、彼らはみんなこのタイトルに値する。みんなの事を心から愛しているし、2016年からずっと、彼らとの仕事を本当に、心から楽しんできたけど、今年は本当に信じられない気持ちだ」