アルファタウリ・ホンダ、角田裕毅の成長に手応え「驚いた」アルピーヌからの逆転5位に自信満々
アルファタウリ・ホンダのフランツ・トスト代表はシーズン最終戦までアルピーヌとの激しいチャンピオンシップ争いが続くと考えているものの、角田裕毅の成長もあり、逆転の5位獲得に自信満々だ。
シーズン全22戦の内の17戦を終え、ホンダF1パワーユニットを搭載するファエンツァのチームは計94ポイントを獲得し、英国エンストンを本拠とするアルピーヌに対して10ポイント差のランキング6位につけている。
第18戦メキシコGPの初日FP1を終えフランツ・トストは、逆転のコンストラクターズ選手権5位に「自信を持っている」と語った。
「なぜなら我々のマシンは彼らより速い。それに我々には2人のファンタスティックなドライバーがいる。目標達成に関しては楽観的に考えている」
ピエール・ガスリーは非常に高い一貫性を以て中団トップを争うスピードを見せ続けてきた。対する角田裕毅は開幕戦でセンセーショナルなデビューを飾ったものの、その後はスピンやクラッシュを量産する厳しい時期を過ごした。
だが過去2戦では連続Q3進出を果たし、オースティンではバルテリ・ボッタスやキミ・ライコネン、フェルナンド・アロンソらを抑える好走を披露して、ハンガリーGP以来となるポイント獲得を果たしてみせた。
フランツ・トストは「ユーキは上達しているし、ますます良くなっている」と強調する。
「彼はクルマのエンジニアリング面に関する理解を深めているし、ファエンツァのエンジニア達とのミーティングを重ね、あらゆる側面についての全体像を把握し、感触を向上させている」
「こうした事は初年度を迎えるルーキードライバーにとっての通例の仕事だが、今朝の彼のパフォーマンスには驚かされた。何しろ彼がここに来たのは初めての事なんだからね」
フランツ・トストは個人的に次戦「サンパウロの方が良かった」と考えていたものの、エンジニア達の提言に従い、4基目のICE(内燃エンジン)投入による角田裕毅のグリッド降格ペナルティをメキシコで消化する事を決断した。輸送上の問題から新型ESの投入は見送られた。
交換に伴い最後列スタートが確定した事から、角田裕毅は1発の速さが求められる予選ではなく決勝レースを見据えてセッションに取り組んだものの、初走行のエルマノス・ロドリゲスでの1発目のセッションで11番手タイムを刻むと、FP2ではチームメイトに0.215秒遅れの8番手タイムをマークした。
これはチームの指揮官に感銘を与えるものだった。
「FP1での彼の走りは本当に素晴らしかった。パワーユニット交換により最後尾からスタートしなければならないが、この調子を続けて欲しいと願っている」とフランツ・トストは語った。
「このパフォーマンスであればオーバーテイクも可能だし、ポイントも獲得できると楽観視している」
高地で強力なアドバンテージを持つホンダエンジンの後押しもあり、アルファタウリ・ホンダAT02はエルマノス・ロドリゲスでライバルを凌ぐ印象的な速さを示している。ガスリーは両セッションでトップ6を連発してフェラーリを牽制した。