ルイス・ハミルトン、予選最速の影にFP1直前のシミュレーター作業…変則スケジュールで空き時間
メルセデスAMGペトロナスF1チームは、7月16日(金)に行われた2021 F1第10戦イギリスGP初日予選でルイス・ハミルトンが最速タイムを刻み、バルテリ・ボッタスが3番手と、集まった地元大観衆の喝采を浴びた。
ハミルトンにとっては第4戦スペインGP以来、6レースぶりの予選最速で、更には母国での6度目の予選最速ランナーに輝く見事なパフォーマンスだった。
予選を終えたハミルトンは、レッドブル・ホンダに対する遅れを少しでも取り戻すべく、金曜日の午前中にブラックリーに位置するメルセデスのファクトリーでシミュレーター作業に取り組んでいた事を明かした。
スプリント予選導入の兼ね合いから金曜のFP1は現地14時30分からと非常に遅く、ハミルトンには時間的な余裕があった。
メルセデスはホームたる英国シルバーストンでの週末に先立って、フロアやバージボード等、W12に今季最後の空力アップグレードを投入。FP1開始からパルクフェルメまで4時間足らずという事で、コース外での作業量と成果がいつも以上に問われていた。
「火曜日にもファクトリーでシミュレーター作業に取り組んだんだけど、今日も午前中が空いていたから、じっとしていても時間の無駄だし、やりに行ったんだ」とハミルトン。
「最初のプラクティスではただひたすらクルマを作り上げる事に、できるだけ多くの情報をチームに提供する事に集中した。クルマの性能を最大限に引き出すためにあらゆる努力を重ねてきたけど、今日はその努力が実を結んだ。大満足だよ」
FP1ではマックス・フェルスタッペンが後続にコンマ7秒以上の差をつけて圧倒的な速さを示した。チェッカーが振られエンジニアのボノから「3番手だ。トップはフェルスタッペン。0.7秒差だ」との無線が飛ぶとハミルトンは「コンマ7秒だって!? 一体何処でそんな差がついたんだ?」と驚きを隠さなかったが、予選ではメルセデスが形勢逆転を果たした。
「彼ら(レッドブル・ホンダ)が何をしていたのか僕には分からない」とハミルトン。
「彼らはフリー走行では本当に速かったけど、僕としては上を目指して自分の仕事に集中していたからね」
エンジニアリング・ディレクターを務めるアンドリュー・ショブリンはFP1でロングランとショートランの両方に取り組んだ事を明かして「フリー走行では一発のペースがあまり良くなかったが、予選に向けてグリップとマシンバランスの改善のヒントが見つかった。今日はそれがタイムシートに表れた」と説明した。
変則フォーマットのF1イギリスGPの2日目は、FP2が日本時間7月17日(土)20時から、17周で競われるスプリント予選レースが同24時30分からシルバーストン・サーキットで開催される。