警告がない事は言い訳にはならない…角田裕毅、ボッタス妨害で3グリッド降格ペナルティ / シュタイアーマルクGP予選
エマニュエル・ピロら4名から成るF1シュタイアーマルクGPのスチュワードは、26日の公式予選を終えて、アルファタウリ・ホンダの角田裕毅に3グリッド降格と1点のペナルティポイントを科す裁定を下した。
最終Q3でアタックラップ中のバルテリ・ボッタス(メルセデス)がターン4に向かった際、角田裕毅はその前方をスロー走行しており、レースディレクターのマイケル・マシはボッタスがターンインした際に角田裕毅が「不必要に他者を妨害」した可能性があると判断した。
このインシデントに関して角田裕毅は、ボッタスへの影響の程度は限定的で「彼のラップを台無しにしたとは思っていません」と語っていた。
マイケル・マシからの報告を受けたスチュワードはセッション終了後の現地17時10分より、角田裕毅本人とボッタス、そしてチーム代表者からの聴取を行い、映像証拠と照らし合わせて審議を行った。
その結果、スチュワードは角田裕毅が後ろから迫るボッタスの存在をチームから知らされていなかったと認めたが、同時に無線による情報伝達の有無に関わらず、高速車両に配慮することは「全ドライバーの責任」であり「言い訳にはならない」として、F1競技規約31条5項への違反とみなして厳しい裁定を下した。
スチュワードは声明の中で一件を次のように説明した。
「22号車(角田裕毅)はファストラップを終えたばかりで、チームから次にピットに入るようにとの連絡を受けていた。チームはファストラップ中の77号車(ボッタス)の接近を22号車に警告しなかった」
「77号車はターン4の入り口で22号車に接近した。レーシングライン上にいた22号車は、ラインを外れて外側に移動しようとしたが、77号車を不必要に妨げてしまった」
「スローラップ中に高速車両を意識することは全てのドライバーの責任だ。チームはドライバーに車両が接近してきている事を知らせるべきであったが、こうしたコミュニケーションの欠如はドライバーの言い訳にはならない」
この裁定により予選8番手の角田裕毅は11番グリッドから決勝レースに臨む事になる。またこれに伴いフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)、ランス・ストロール(アストンマーチン)、ジョージ・ラッセル(ウィリアムズ)は各々1ポジションずつ昇格する。