車体交換の影響? フランスGP絶好調のボッタス「クルマを信頼できている」対して前戦12位のNo.4使うハミルトンは…
バルテリ・ボッタスはシャシー交換を経て臨んだF1フランスGP初日セッションで、前戦アゼルバイジャンとは別人のように好調な走りを披露し、前戦まで自身が使用していた車体を使う僚友ルイス・ハミルトンに大きな差を付けている。
ボッタスはオープニング・セッションでハミルトンに0.335秒差をつけてトップに立つと、続く2回目のフリー走行ではマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)に0.008秒差での2番手をマーク。チームメイトに0.245秒差を付けた。
今回のシャシー交換は第2戦エミリア・ロマーニャGPでボッタスがクラッシュを喫した事を受けて改定された年間使用計画に基づくもので、ボッタスはポールリカールでの週末に、ハミルトンがシーズン序盤の6戦で使用したシャシーNo.6を、対するハミルトンは第3戦から前戦までボッタスが使用していたシャシーNo.4をそれぞれ使用している。
イモラで大破したシャシーNo.5は現時点でローテーションから外れているものの、シーズン後半に再びローテーションに組み込まれる予定で、更にはスペアとしてシャシーNo.3も用意されている。なおいずれも昨季型W11のシャシーと同一仕様だ。
つまり、交換の理由について様々な憶測を呼んでいるのとは裏腹に、単純に今季用の4台のシャシーのマイレージを均等化するのが目的であるわけだが、失意の12位に終わった前戦バクーでシャシーに問題があると疑っていたボッタスにとって、ポール・リカールでの初日の出来は明らかに満足いくものだった。
1日を終えたボッタスは「シャシーの問題なのか、コースコンディションのせいなのかは分からないけど、2週間前よりもずっと良い感触を持っている事は確かだ」と語った。
「クルマは快適で、かなり速く走れているし、これまでのところ全てが順調だ」
「ここはバクーとは全く違うコースだけど、バランスは良いしタイヤも上手く機能している。クルマを信頼してドライブ出来ているし、クルマに自信が持てている。それが(前戦との)最大の違いだ」
一方のハミルトンは18日午後に行われたFP2の最中に「クルマに何かおかしいところがある」と無線で訴えていたが、セッション終了後にシャシー変更について質問されたハミルトンは「前のクルマと変わらない感じがする」と答えて影響を否定。無線の内容については特に詳しく説明する事はなかった。
「モナコやバクーとはポジションがかなり違うとはいえ、今週末はかなり苦戦している」
「路面のせいなのか気温のせいなのか、それとも内圧が引き上げられたタイヤのせいなのかは分からない。ピレリはタイヤの空気圧をこれまで以上に高く設定していて最高レベルに達しているから何とも言えないな。でも誰もが滑りまくって苦労しているように見える」
チーム代表のトト・ウォルフはシャシー交換の理由について、あくまでも「計画の一部」であり、シャシーに限らずあらゆるパーツを相互交換していると説明。次のように続けた。
「いずれの車体も昨年からキャリーオーバーされたシャシーであり、2シーズン目を迎えている。1台で何百万マイルもの走行距離を重ねるわけにはいかない」
「ただし(ボッタスからの)フィードバックがある事は良い事だし、それでドライバーの気持ちが落ち着くのであれば尚の事だ。新品のスペアシャシーもあるし、それを使う事もできる状況だ」
ボッタスのシャシーに乗り換えたハミルトンがクルマに不満を持っていた事について問われると、トト・ウォルフは「あのシャシーはモナコでバルテリが予選トップに迫った素晴らしいものだが、本当のところは分からない」と返した。
「エンジニアからの話では、すべてテスト済みで剛性も高く、違いはないはずだと言われているが、もしドライバーがそうではないと感じているなら、ここで(別の事を)主張する意味はない。単に(シャシーを)変えれば良いだけの話だ」