フェラーリSF21、もはやストレート速度は弱点に非ず「去年の二の舞にはならない」F1テスト《3日目》2021
3日間という限られたテストにおいて「今年ばかりはもっと日数が欲しいと思った」と語る前年王者がいる一方、スクーデリア・フェラーリは計画通りにプログラムを実行に移し、実際のコース上でマシンパフォーマンスの改善を確認したようだ。
バーレーンで行われた3日間のプレシーズンテストで跳馬は、連日に渡ってシャルル・ルクレールとカルロス・サインツが交代交代でSF21を走らせ、合計403周、2,182kmに相当するマイレージを稼ぎ、最終日にはサインツが総合3番手タイムを残した。
昨年のフェラーリは、パワーユニットの大幅パワーダウンと空気抵抗(ドラッグ)が大きい車体のダブルコンボで過去40年における最悪の成績に終わった。マラネロは今季SF21の開発に際して、これを最大の課題として巻き返しに勤しんできたが、指揮官によるとその努力は報われたようだ。
チーム代表を務めるマッティア・ビノットは「もちろん、ダイナモ上でのエンジンに関しては分かっているが、ライバルとの相対的な速度について関しては実際のクルマに組み込みトラック上で走らせてみない事には分からない」と語り、次のように続けた。
「昨年のバーレーンGPの予選及び決勝レースで我々は、ストレート速度が非常に遅くQ3に進出できず、ポールポジションからもかなり離れていた。だがテスト2日目までを見る限り、少なくともストレートスピードは大丈夫なように思う。去年の二の舞になる事はないだろう」
「去年もしばしば言及したように、これに関してはパワーだけの問題ではなく、クルマのドラッグも原因だ。ストレートでのスピード改善にはこれら2つの要素が関係している。今やもうこれは我々の弱点ではない。そう感じている」
確かにこれは、2021年型のフェラーリPU「065/6」が改善しているとするキミ・ライコネン(アルファロメオ)の発言を裏付けるものだが、取り組むべき課題はドラッグとパワーだけではない。
マッティア・ビノットはもう一つの弱点であるリアエンドに触れて「風洞とシミュレーションの相関関係を理解することが重要であったため、テストではそのためにデータを集めて比較検証を行った」と説明し、満足いく結果が得られたと明かした。
「相関は満足できるものだった。つまり、次のシミュレーションや最終的な開発に向けて真っ当な礎を築く事ができたという事だ。少なくとも今のところはかなり上手く機能しているように思う」
今回のテストは新加入のカルロス・サインツがチームとその手順・やり方・文化に慣れるための場という点でも重要だった。
「シャルルとカルロスのチームとの取り組み方に関しては特に満足している」とマッティア・ビノットは続ける。
「それに2人の関係も良好で、それがサインツがチームに素早く慣れる助けとなった」
「我々としてはこれから、チャンピオンシップの開幕に向けてできる限り準備を整えるために、すべてのデータを慎重に分析する必要がある。やるべき事は山積みだが、チーム全員が良い結果を出したいと願っている」