角田裕毅とガスリー、アルファタウリ・ホンダ「AT02」シェイクダウンを完了…隠された新型ノーズ&前サスがお目見え
アルファタウリ・ホンダは2月25日(木)、本拠地から程近いイモラ・サーキットで2021年型F1マシン「AT02」のシェイクダウンを行った。マシンにはレンダリングで隠されていた新型ノーズとフロントサスペンションが搭載された。
伊ファエンツァのチームはフィルミングデーを使用し、角田裕毅とピエール・ガスリーに新車のステアリングを握らせた。フィルミングデーに関する規約はピレリのデモタイヤの装着を義務付けており、走行距離も100kmに制限されるが、角田裕毅はデビュー戦に向けてこれまでに幾度となく旧車を走らせている。
この日トラックに持ち込まれた「AT02」には、ローンチの際に公開されたレンダリングとは異なり、丸みを帯びた幅の細いノーズが搭載されていた。またこれに合わせて調整された新型フロントウイングと、昨年のレッドブル「RB16」によく似たフロントサスペンションが確認された。
レッドブルとの関係性を考えれば、アルファタウリが彼らのフロントサスペンションを踏襲しても不思議はない。レーシングポイントは昨年、テクニカルパートナーのメルセデスのデザインを全面的に模倣すること高い競争力を確保した。
テクニカルディレクターを務めるジョディ・エギントンは新車発表の際、2つの開発トークンをフロントエンド(ノーズとフロントサスペンション)に投じた事を明らかにしていたが、その際に発表されたレンダリングは従来よりも”やや”小ぶりになったノーズしか確認できなかった。だが、シェイクダウンに際して不鮮明ながらもようやくその真の姿が明らかとなった。
シェイクダウンで搭載されていた新型ノーズは、ウイングを吊り下げるピラー間の距離が狭くなっている。これによりノーズ下に配される”ケープ”(車体後方に伸びるウイング上の整流フィン)をより効果的に使う事が可能となる。
幅の細い”ナローノーズ”はメルセデスが先鞭をつけたもので、ノーズの下部やバージボードへと流れる気流をよりクリーンに保つ事ができる一方、その細さでクラッシュテストに合格しなければならないため導入は簡単ではない。
実戦を前に手の内をさらけ出すインセンティブなどあろうはずもなく、レンダリングと実車とが異なる事は珍しくはない。実際シニアチームのレッドブル・ホンダは、シェイクダウンに際しても徹底的に今季「RB16B」の詳細を秘匿し続けている。
アルファタウリにしても、プレス向けに公開したシェイクダウン時の写真のほぼ全ては今季型のリバリーを纏った「STR14」のものであり、新型ノーズが確認できたのは本ページ上部の僅か2枚に留まる。