レッドブル、AFコルセと提携し今季DTMに参戦…アルボンとローソンに加えてニック・キャシディがドライブ
レッドブル・レーシングは2月2日(火)、3度のル・マン24時間ウイナーであるAFコルセとタッグを組み、2021年のドイツ・ツーリングカー選手権(DTM)に参戦する事を正式発表した。
2台のフェラーリ488 GT3 EVOをドライブするのはアレックス・アルボンとリアム・ローソン、そしてニック・キャシディだ。ローソンはフルタイムでレッドブルカラーのマシンのステアリングを握る。対するアルボンとキャシディはアルファタウリカラーのマシンを共有する。
2016年のデビュー戦で勝利して以来、フェラーリ史上最も成功したマシンとの呼び声高い488 GT3は、これまでに参戦した636レースで優勝355回、表彰台640回、チャンピオンシップ91回の記録を刻んでいる。
ル・マンを含む世界耐久選手権(WEC)で数々のタイトルを獲得してきたAFコルセのチーム代表兼オーナーのアマート・フェラーリは今回の提携について「この挑戦はゲルハルト・ベルガーのアイデアから始まった。レッドブルと合意するのに長い時間はかからなかった」と説明した。
ローソンは2019年に、ランス・ストロールやランド・ノリスがかつてしのぎを削ったニュージーランドのオープンホイール「トヨタ・レーシング・シリーズ」を制した後、昨年はFIA-F3選手権で2勝をマーク。今季はF2とDTMの二足のわらじを履く。
2度の表彰台を獲得しながらもセルジオ・ペレスにシートを奪われたアルボンは、レッドブル・ホンダのテスト兼リザーブドライバーを務めつつ、DTMで新たな役割を担う。
「DTMはエキサイティングなレースが行われている素晴らしいシリーズだし、才能豊かなドライバー達がひしめいている」とアルボン。
「2015年にオートスポーツBRDCヤングドライバーアワードにノミネートされたときに”ティン・トップ”を一度ドライブしたきりで、シングルシーターとは全然違う。ダウンフォースはかなり低くて、タイヤも全く違うだろうから、これまでとは異なるドライビングスタイルが要求される。慣れるにはちょっと時間がかかるだろうけど、今のF1活動の他に、機会があるときに新たなレースにチャレンジするのが楽しみだ」
キャシディは2012年と2013年のトヨタ・レーシング・シリーズでチャンピオンを獲得した後に日本に活動の舞台を移し、全日本スーパーフォーミュラ選手権、スーパーGT、そして全日本F3選手権の全てで王座を獲得。今季よりヨーロッパに拠点を移し、DTMと合わせてフォーミュラEに参戦する。
DTM運営団体の代表を務めるゲルハルト・ベルガーは「レッドブルとフェラーリは共に、モータースポーツ界というのみならず世界的なトッププレーヤーだ。両者のようなトップブランドがDTMに加わってくれた事を嬉しく思う。彼らは誉れ高いチャンピオンシップで勝利すべく、力を合わせていくだろう」と述べ、次のように続けた。
「3人のハイクラスなドライバーによる前例のないコラボレーションは、とりわけ有望だ。F1ドライバーにして表彰台経験のあるアレックス・アルボン、GTのプロフェッショナルとして複数のレースで勝利しているニック・キャシディ、そして若き才能であるリアム・ローソンが1つのチームを組むわけだからね。完璧と言わざるを得ない」
GT3レギュレーションに基づきハイパワーのGTスポーツカーへと移行するDTMは、55分に1周を加えた形で2つのスプリントレースが行われる。今季からは従来のスタンディングスタートから2列でのローリングスタートへと変更される事もあり、苛烈なアクションが期待されている。
DTMの2021年シーズンは8ラウンドで構成される。そのうちの4レースはドイツ。6月18~20日(日)のイタリア・モンツァでの開幕戦を含む残る4レースがヨーロッパ各地で開催される。最終戦は恒例のドイツ・ホッケンハイムで、10月1日~3日(日)の開催が予定されている。