ウィリアムズ・レーシングのモーターホーム
Courtesy Of Williams

ウィリアムズF1、復権に向け現実路線に転換…2022年から”より多くのメルセデス製コンポーネント”を使用

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新たなオーナーの下で再起を図る英国の名門ウィリアムズがメルセデスとのパートナーシップを強化した。技術規約が一新される2022年シーズンより、多くのコンポーネントの供給を受ける事で資本効率を向上させる。

ウィリアムズは2014年よりメルセデスからV6ハイブリッドエンジンの供給を受けてきたものの、ギアボックス並びに油圧システムに関しては内製化を貫いてきた。だが英国現地1月5日(火)、2022年よりメルセデスからこれらの供給を受ける事を明らかにした。

現在の主流はカーボンファイバー製だが、ウィリアムズはアルミニウム製ギアボックスケーシングを採用してきた。なおその他のシャシーパーツの設計・製造は引き続き社内にて行われる。

ギアボックスと油圧はマシンパフォーマンスに大きく影響するものではないが、供給を受けることで限られたリソースを他の分野の開発に集中させる事が可能となる。

チーム代表のサイモン・ロバーツは今回の関係強化について「ウィリアムズは独立したチームだがF1を巡る状況は絶えず変化している。コース上で競争力を発揮していくためには、現在の状況に機敏に対応する事が必要だ」と説明した。

メルセデスAMGペトロナスF1チームのトト・ウォルフCEO兼チーム代表は、広範なコンポーネントを供給する事はスケールメリットという観点で論理的な帰結であるとして、以前からウィリアムズとの間で協議を重ねていた事を明らかにした。

メルセデスは既にアストンマーティン(旧レーシングポイント)と同様の契約を結んでいる。

グリッドに付く全10チームの中で唯一、社名に「Engineering」を冠する事に象徴されるように、ウィリアムズは長年に渡り技術並びに”完全に独立したコンストラクター”という立場にこだわり続けてきたチームであり、今回の契約拡大は従来の姿勢を転換させた事の表れと言える。