フェルスタッペン、”棄権したがるドライバーは去れ発言”は誤解と釈明「誰だってあんな事故は見たくない」
レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンは、衝撃的な事故が発生したバーレーンでの第2レースに先立って、”棄権したがるドライバーは去れ”との旨の自身の発言は誤解を招いているとして釈明した。
第15戦バーレーンGPでは、ロマン・グロージャンがオープニングラップのターン3でバリアに激突し、車体が真っ二つに分断された挙げ句、巨大な炎に巻かれるショッキングなクラッシュが発生した。
FOMがこの事故映像を繰り返し放映したことに対して、ダニエル・リカルドを始めとする一部ドライバーが「無神経」であるとして批判の声を上げた一方、フェルスタッペンはレース後、衝撃的なクラッシュの後に棄権したがるようなドライバーはチームから去るべきとの旨の発言をし、一部から批判を浴びていた。
2位表彰台を経て臨んだレース後のFIA会見の中でフェルスタッペンは「衝撃的な事故の後のドライバーにレースを棄権する選択肢を与えるべきだと思うか?」と問われると「なぜレースをしようとしないのか僕には理解できない。僕がチームのボスだったら、そいつをシートから追い出すだろうね。”二度とシートに座るな”って言うよ」と答え、ドライバー自らが棄権を望むような事はあってはならないとの考えを示した。
アウタートラックで開催される次戦サクヒールGPを前にフェルスタッペンは「みんなが誤解していると思う。僕が言いたかったのは、ドライバーとして僕らはマシンに乗るときのリスクを承知の上だという事で、もしレースの安全性に疑念を疑く人がいるならば、レースの棄権を検討すべきだって事だ」と説明した。
「レースをするのが嫌だと感じる事は悪いことじゃない。でも、僕らはチームの一員であり、チームは僕らに対してマシンのドライブを託しているんだ」
「1960年代や70年代は今よりも更に危険だったと思うし、その時代のドライバー達は周りの仲間を失うリスクが高いことを知りながらも、それが自分たちの仕事であり、自分たちが好きなことだと知っていたからこそ、それでもコースに出ていたんだ」
「現在のF1の安全性は信じられないほど高いし、僕としては各々の決断を尊重している。誰だってあんな事故は見たくないし、本当に大事な事はロマンが無事だったって事さ」
誰もが動揺を隠せない中で再開を迎えたレースでは、2位フェルスタッペンに続いてチームメイトのアレックス・アルボンがキャリア2度目となる3位表彰台を獲得。レッドブル・レーシングとしては、鈴鹿サーキットで開催された2017年のF1日本GP以来、3年ぶりのダブルポディウムを飾る事となった。
ホンダ製F1パワーユニットを搭載してワークスチームとして臨んだ昨年のマシンの競争力を考えれば、この事実はフェルスタッペンにとって相当意外であったようだ。
「久しぶりのダブル表彰台で、チームのみんなにとって最高の週末になった。2018年のパッケージは真っ当だったから、去年2台揃って表彰台に乗れていなかった事にかなり驚いたよ」とフェルスタッペン。
「今のところメルセデスに対して少し遅れているけど、こうした結果を残すためには彼らがミスをした際に然るべきポジションにいなきゃならないわけで、そういう意味では僕らは2人とも出来る限りの事をしたと思う」
「それに僕としては過去2戦に渡って計画通りにいかないレースが続いていただけに表彰台に戻れて嬉しかった」
前戦と同じバーレーン・インターナショナル・サーキットで開催される今週末のサクヒールGPではコースレイアウトが変更され、通常とは異なる全長3,543m、全11コーナーから成るオーバルライクなアウタートラックが採用される。
フェルスタッペンは「1周がこれだけ短いと予選でクリアラップを得るのは難しいだろうね。多分20台のマシンが150m以内にひしめく状況になるんじゃないかな! ブルーフラッグや周回遅れのマシンが面白い要素にはなると思うけど、ラップタイムは(前戦)よりも更に接近するだろうから、(メルセデスとの)ギャップはさほど大きくはならないと思う」と付け加えた。
F1サクヒールGPは、日本時間12月4日(金)22時30分からのフリー走行1で幕を開ける。