動画:シューマッハ、GPデビューに先立ちフェラーリSF71Hを駆る「F1アイフェルGPに向け有意義な経験が積めた」
フェラーリ・ドライバー・アカデミー(FDA)に所属するミック・シューマッハ、カラム・アイロット、ロバート・シュワルツマンの3人が各々のF1グランプリ・デビューに向けて、9月30日(水)に伊フィオラノ・サーキットで2018年型フェラーリF1マシン「SF71H」を用いてテストを行った。
独ニュルブルクリンクで開催される10月9日のF1第11戦アイフェルGPでは、ミック・シューマッハがアルファロメオC39を、カラム・アイロットがハースVF-20を駆り、フリー走行1デビューを果たす。ロバート・シュワルツマンは12月11日の最終アブダビGPの金曜フリー走行に出走する。
まず最初にコースに現れたのは、今季これまでにFIA-F2選手権で3勝を挙げているロバート・シュワルツマンだった。21歳のロシア人ドライバーにとってF1マシンを走らせるのは今回が初。
午前9時過ぎにインスタレーションラップを行い、その20分後に本格的な走行を開始。初のF1マシンでのテストを振り返ったロバート・シュワルツマンは「何処までも加速し続ける馬力に驚いた」と語った。
正午にステアリングを握ったのは、2018年からFDAに所属し、3勝を挙げて現在F2チャンピオンシップで2位につけているイギリス・ケンブリッジ出身の21歳、カラム・アイロットだ。
カタロニアで開催された昨年のF1スペインGP後のテストでアルファロメオC38をドライブした経験を持つカラム・アイロットは、2.976kmのコースをコンスタントなペースで周回。「エアロ効率の高さと、他のカテゴリーにはないグリップレベル、圧倒的なエンジンパワーと驚異的なブレーキングが印象的だった」と語った。
ミック・シューマッハは午後3時にステアリングを引き継いだ。7度の皇帝ミハエル・シューマッハを父に持つ21歳のドイツ人ドライバーは、昨年のバーレーンテストでフェラーリSF90とアルファロメオC38を走らせており、今回がF1マシンでの3度目のテストとなった。
1日を振り返ったミハエル・シューマッハは「ハイブリッドエンジンを搭載するF1マシンをテストするチャンスを与えてくれたフェラーリとFDAに感謝したい」と語った。
「トップチームの仕事ぶりを目にする事ができたし、一連の複雑な手続きや流れを再び経験できて本当に有意義だった」
「数週間前にムジェロでF2004(フェラーリの2014年型F1マシン)をドライブする機会があったけど、今回2018年型のハイブリッドカーに乗ったことで、パワーユニットにおけるエレクトロニクスの重要性や、空力面でのF1マシンの進歩というものを肌で理解することができた」
「母国の観客を前にF1フリー走行に参加出来る事になって本当に嬉しいし待ち遠しい。チームの中には父と一緒に働いていたメカニックもいるから、デビュー走行は殊更スペシャルなものになると思う」
FDA技術部長のマルコ・マタッサは、F1マシンとF2マシンの各々に求められるドライビングスタイルは全く異なるため、瞬時に頭を切り替えるのは簡単ではないとしながらも、「テクニカル面で言えば、ミック、カラム、ロバートはすぐにSF71Hに適応していた」と評価した。