アルファロメオのアントニオ・ジョビナッツィを抑えて前を走るアルファタウリ・ホンダのダニール・クビアト、2020年F1ロシアGPにて
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アルファタウリ・ホンダ、ソチで最高成績更新するも「もっと多くを成し得たはず…悔しい」と首脳陣

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アルファタウリ・ホンダは9月27日(日)にソチ・オートドロームで行われたF1第10戦ロシアGP決勝で、母国レースのダニール・クビアトが8位、ピエール・ガスリーが9位でフィニッシュし、ダブル入賞を飾った。

「スクーデリア・トロロッソ」を名乗っていたかつての時代を含めて、ファエンツァのチームはこのコースで10位を超える成績を収めた事はなく、この日の結果はチームにとってのソチでのベストリザルトとなったが、首脳陣達は”喜び”よりもむしろ、”悔しい”という気持ちの方が強いようだ。

フランツ・トスト代表は「我々のレースは大した事のないものだった。なぜならば、私はもっと良い結果を成し得たはずだと考えているからだ」と語った。

チーフレースエンジニアを務めるジョナサン・エドルズもまた「2台でポイント獲得できた事は嬉しい」としながらも、「クルマのペース的にはもっと多くの可能性があった」「全体として、もっと多くの事を成し得たかもしれないという感触がある」として、悔しさを滲ませた。

スタンドの母国ファンに手を振るアルファタウリ・ホンダのダニール・クビアト、2020年F1ロシアGPにて
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クビアトは11番手スタートの8位フィニッシュと順位を上げたが、ガスリーの方は9番手スタートの9位フィニッシュと、ポジションキープのレースだった。上位でスタートしたカルロス・サインツ(マクラーレン)が1周目にリタイヤを喫し、ランド・ノリスが同じく1周目に最後尾付近にまで転落した事を思えば、ポジションキープは順位を落とした事に他ならない。

ジョナサン・エドルズはその要因として、ガスリーのQ3進出を挙げた。

「我々はソフトタイヤでのトップ10スタートが不利に働くと予想していたが、実際ピエールはその通りになった。(ハードスタートの)ダニールよりも早くピットストップしなければならず、トラフィックのど真ん中でコースに戻る事となった」

「もう数周早くピットに呼んでいれば幾らかアドバンテージなっただろうが、結果は同じだっただろう。結局、ピエールにとってはトラフィックとの戦いのレースだった」

ピットストップを終えた後のガスリーは、9番手を走行していた43周目のバーチャル・セーフティカー(VSC)を機に再度ピットへと向かいミディアムタイヤに交換。VSCが予定外に早く解除されたため、2ポジションダウンの11番手でコースに復帰したが、コース上でランド・ノリスとアレックス・アルボンの2台を抜き去り、9位でフィニッシュした。

ジョナサン・エドルズは「レース終盤のVSCが予想以上に早く終わってしまったため、当てが外れたが、彼は自らの力で2ポジションを得る素晴らしい仕事をやってのけた」とガスリーのオーバーテイクを褒め称えた。

レース前のグリッド脇で栄養ドリンクを補給するアルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリー、2020年F1ロシアGPにて
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ソチでのW入賞によってアルファタウリ・ホンダは計6点を加えて累計59ポイントとしたが、シャルル・ルクレールが6位フィニッシュした事で、コンストラクターズ選手権で6位につけるスクーデリア・フェラーリとの差は15ポイントに広がってしまった。

ジョナサン・エドルズは、次のターゲットが打倒フェラーリであることは「明らか」であるとして、独ニュルブルクリンクで開催される次戦アイフェルGPまでに更に強力なパフォーマンスを発揮できるよう、体制を整え直すと誓った。

レッドブル・ホンダのクリスチャン・ホーナーが説明するように、アルファタウリは本家レッドブルの「ジュニアチーム」ではなく「姉妹チーム」となったわけで、もはやこの程度のリザルトでは合格点とは言えないようだ。

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