FIM国際モーターサイクル連盟とIRTA、そしてMotoGPを所有するドルナスポーツは3月1日、今週末に予定されていた2020年シーズンの開幕戦カタールGPで、予選と決勝を含む最高峰クラスの全てのイベントをキャンセルすると発表した。

開催中止の理由についてMotoGPは声明の中で、感染者数の急速な拡大によって世界的大流行=パンデミックが懸念されている新型コロナウイルスの影響で、開催国カタールがイタリアからの入国者に渡航制限を課したためだと説明した。

イタリア政府の29日付の発表によると、国内での感染者数は1128人に上り、うち29名の方が死亡するなど、同国では北部を中心にウイルスによる新型肺炎が猛威を振っている。これを受けてカタール当局は現在、イタリアからドーハへの直行便の搭乗者および、過去2週間以内にイタリアへの滞在経験を持つすべての旅行者に対して、最低14日間の検疫措置を課している。

Moto2クラス及びMoto3クラスに関しては、ロサイル・インターナショナル・サーキットでの3日間の公式テストのために既にチームとライダーが現地入りしていたため、最高峰クラスとは異なりスケジュールどおりに3月6日まで8日までの3日間に渡って開幕戦が行われる。

最高峰クラスも2月22日から24日まで同地でテストを行ったが、ライダーを含む関係者の多くは現地を離れており、渡航制限のためにレースへの参戦が難しい状況に追い込まれた。

なお軽量クラスと同様に、カタールGPの週末2日間に併催が予定されていたイデミツ・アジア・タレント・カップの2レースは計画通りに開催される。

F1世界選手権の開幕戦は3月15日にオーストラリアで行われる予定だが、同国はイタリアと同じ様に感染が急速に拡大しているイランへの制限措置を29日に発表しており、今後これがイタリアへと拡大される可能性がある。この場合、スクーデリア・フェラーリやアルファタウリ等のイタリア系チームが欠場を余儀なくされる恐れがある。

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