ヨス・フェルスタッペン
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フェルスタッペン父、レッドブル・ホンダの競争力停滞を強く危惧…チームとの話し合いへ

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マックス・フェルスタッペンの父ヨスは、メルセデスとフェラーリが着実に改善を果たす中、レッドブル・ホンダのパフォーマンスが停滞していると感じており「このままでは来年もまたタイトル争いが出来ない」として、至急チーム側と話し合う意向を明らかにした。

改善鈍化…縮まらないギャップ

フェルスタッペン親子は、史上最年少F1ワールドチャンピオン獲得の野望に向けてレッドブルをパートナーに選び共闘しているが、今季RB15にはタイトルを争えるだけの力はなく、チャンピオンシップ争いは、メルセデスとルイス・ハミルトンが大量得点で後続を引き離す展開となっている。

レッドブル・ホンダはシーズン前半のオーストリアとドイツで2勝を挙げたものの、ベルギーから始まった夏休み後の後半戦では1勝も出来ていない。メルセデスは変わらず一貫性を示し、一時はマシンの総合性能で上回ったかと思われたフェラーリは空力アップグレードで大きく躍進を遂げ、レッドブル・ホンダは今やフィールド3番目のチームに後退したと見る向きが多い。

F1シンガポールGP決勝レースを終えた直後のマックス・フェルスタッペンとシャルル・ルクレール
© Getty Images / Red Bull Content Pool、優勝を目指し臨んだ得意のシンガポールでは、3位表彰台に上がるのが精一杯だった

ヨス・フェルスタッペンは、息子がライバルに置き去りにされ4位フィニッシュに留まったソチ・オートドロームでのレース後、Ziggo Sportとのインタビューの中で「本来であればもっと(トップに)近い場所にいるべきだが、実際にはそうなっておらず、期待していたよりも厳しい状況にある」と語り、不満と苛立ちをあらわにした。

「夏休み前までは順調に進んでいたものの、サマーブレイクが明けて以降は、ライバル勢が進歩を遂げる中、我々は少し立ち往生している」

「非常に苛立たしいが、これはマックスの責任ではない。マシンの競争力はチーム次第であり、我々は車体とエンジンの双方で若干遅れを取っている」

「レッドブルはシーズンを通してライバルとのギャップを縮めてきているが十分ではない。このような状況なのに、来年急にギャップを縮めることなどできるだろうか? 私はその事を本当に懸念している」

募る不安…契約更新せず移籍の可能性も

フェルスタッペンとミルトンキーンズのチームとの契約は2020年末までであり、将来のF1チャンピオン筆頭候補に数えられる22歳のオランダ人が、2021年以降も同チームに留まる保証は何もない。

ヨス・フェルスタッペンは、レッドブル・ホンダがタイトル争いに足るコンペティティブなクルマを用意できなければ移籍もやむを得ないと、再三に渡ってチーム側に警告し続けてきたが、その思いはここに来て一段と強まっているようだ。

「短期的に改善出来るかどうか、それが本当に心配だ」とヨス・フェルスタッペン。「今後のことについてチームと話し合うつもりだ。現時点では十分に良いとは言えない状況にある」

「良いクルマを手に入れさえすれば、マックスはワールドチャンピオンに挑戦できる。それは、彼のパフォーマンスを見れば明らかだ。我々は数年間に渡ってレッドブルと共に仕事をしてきたが、来シーズンのF1で世界タイトルに挑戦できるとは思えない。」

「過去数戦のレースを考えれば、我々は日本グランプリで0.5秒遅れにされるだろう。無論、我々はギャップを埋めるためにあらゆる事にトライしているが、2週間でコンマ5秒をキャッチアップするのは不可能だ」

「ライバルとのギャップが縮まることを期待していたが、現時点ではそうは思えない。懸命な努力を重ねなければ、来年もまた失われかねない」