ハースのケビン・マグヌッセンとホイール・トゥ・ホイールのバトルを繰り広げるトロロッソ・ホンダのピエール・ガスリー、2019年F1ベルギーGP決勝レースにて
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トロロッソ・ホンダ、戦略とチームオーダーで選手権5位を堅持…自信深めたガスリー

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トロロッソ・ホンダは、1日に開催されたF1ベルギーGP決勝レースでダニール・クビアトが7位、ピエール・ガスリーが9位を獲得してダブル入賞。チームとして計8ポイントを加算し、コンストラクターズ5位の座を守り固めた。

接戦が予想される中団チームのライバル勢を抜き去り、ポイント獲得を確実なものにするために、チームは2台のマシンで戦略を分けた。

スペック4エンジンへの交換で後方19番手スタートとなったクビアトは、柔らかいソフトで第一スティントを引っ張る作戦。13番グリッドのガスリーはミディアムを履き、アンダーカット狙いで第一スティントを短くするストラテジーだった。

スタート直後の1コーナーでは、マックス・フェルスタッペンとキミ・ライコネンが接触。2台のSTR14は混乱をくぐり抜けてオープニングラップを消化し、ガスリーは9番手、クビアトは11番手にまで浮上した。

第一スティントは特に大きなトラブルもなく走行を続けていたが、早めにタイヤを交換したことでレース終盤に向けてガスリーが徐々に失速。チームは30周目にチームオーダーを発動し、両者のポジションを入れ替えた。

この指示についてフランツ・トスト代表は「ピエールは本当に素晴らしいレースをしていたが、あの時点ではタイヤのパフォーマンスが低下しており、フレッシュなタイヤを履いていたダニールの方が速かったから」と説明した。

クビアトはその後、ルノーのダニエル・リカルドを抜き去り7位フィニッシュ。ガスリーは摩耗したタイヤながらも後続のレーシングポイント、ランス・ストロールを抑えきり、見事9位を死守した。テクニカル・ディレクターのジョディ・エジントンは「ピエールがチームに馴染んでくれて本当に良かった」と語った。

モンツァ・サーキットでの次戦イタリアGPは、ファエンツァのチームにとってのホームレースとなる。

トロロッソ・ホンダ:F1ベルギーGP決勝

ダニール・クビアト決勝: 7位, グリッド: 19番手

グリッド最後尾からの7位は最高の結果だ。ファンタスティックなレースだったよ。僕らのマシンが涼しいコンディションに合っているのは分かってたし、実際、レースでは大きく巻き返す事ができた。

今年の僕らのマシンは(予選より)決勝の方がパフォーマンスが良い感じだね。結果を出さなきゃならないのは日曜日だから、僕としてもその方が嬉しいよ。

今日はかなりの台数をオーバーテイクできたし、タイヤマネジメントを上手くこなし、戦略もバッチリで、今日のペースには競争力があった。全てが上手くまとまったんだ。レース内容にも結果にも凄く満足してるし、最高に楽しかった。

ピエール・ガスリー決勝: 9位, グリッド: 13番手

キャリアの中で最も感傷的なレースだった。僕にとっては、アンソニーのために最高のパフォーマンスを発揮する事が重要だった。結果として良いリザルトを手にできたし、トロ・ロッソにカムバックした最初のレースで2ポイントを取る事ができた。満足してる。

厳しいレースになるのは分かってたから、全力で挑んだ。早い段階でピットインするアグレッシブな戦略だったから、終盤は、柔らかいタイヤを履いたライバル連中とのバトルになるって予想してたからね。攻守ともに全力を尽くしたし、何度か良い接近戦もできた。チームとアンソニーのために2ポイント取れて本当に嬉しい。

レースをしている最中にこのクルマについて色んな事を学んだよ。レッドブルのマシンとは随分違うけど、周回を重ねる毎に良い感触を得る事ができたし、今後のレースでも間違いなくより良い結果を期待できる。


9月1日(日)にスパ・フランコルシャンで行われた2019年F1第13戦ベルギーグンプリの決勝レースでは、フェラーリのシャルル・ルクレールがポール・トゥ・ウイン。F1での初勝利を飾った。

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