フェラーリに完敗したメルセデス、走行妨害に加えて意思疎通にも問題 / F1オーストリアGP《予選》
F1第9戦オーストリアGP公式予選に挑んだメルセデスAMGは、ルイス・ハミルトンが2番手、バルテリ・ボッタスが4番手に終わり、スクーデリア・フェラーリに完敗した。シルバーアローのピットにはコミュニケーションの問題が発生。コース上ではインシデントの当事者となるなど、混乱が生じた。
ハミルトンは予選Q1で、後ろからアルファロメオのキミ・ライコネンが近づいている事を知りながらも回避行動を取らなかったとして、予選終了後に走行妨害の裁定が下り、3グリッド降格処分となった。5番手につけたハースのケビン・マグヌッセンがギアボックス交換による5グリッド降格を受けるため、ハミルトンは決勝を4番グリッドからスタートする。
他方、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンに先行を許したボッタスは、ピットから誤った情報を伝えられたため、前走車とのスペースを十分に取ることが出来ず、思う存分アタック出来なかったようだ。
フェラーリとメルセデスとのギャップは思いのほか大きかった。ポールポジションを獲得したシャルル・ルクレールとハミルトンとのタイム差は0.259秒。3セクター全てでフェラーリが速さを示した。敗因は何か?
トト・ウォルフ代表は「コース特性が我々のクルマに合っていないため、週末前の段階から厳しい争いになる事は分かっていた。今の我々はストレートスピードが不足している」と説明。また、チーフレースエンジニアのアンドリュー・ショブリンは、原因は不明ながらも、W10の強みであるコーナリングでのアドバンテージが失われていたと語った。
メルセデス:F1オーストリアGP予選
ルイス・ハミルトン予選: 2位, FP3: 2位
まずはシャルルを祝福したい。彼は今週末ずっと速かったからね。僕らはこれまでのところ、フェラーリに全く追い付けていない。彼らはもともとストレートでのパワーアドバンテージがあったわけだけど、今週末はそれに加えて中高速コーナーでも何か見つけ出したように見える。クルマのフィーリングは良いんだけど、ストレートでこれ以上の速さを引き出す事は難しい。この点に関しては今後の課題だね。
Q1でキミとのインシデントがあったのは確かだ。コーナーで鉢合わせしたくなかったから、ラインを空けるためにブレーキを緩めたよ。妨害したとは思ってないけど、若干バックオフさせてしまったかもしれない。接近してる事に気付いてなかったんだ。ここでのポジショニングは難しいんだよね。
前に誰もいない状態で走っていたから、スリップストリームを得られなかった。運良く最後のラップではまずまずの位置で走れたんだけど、あまりにも接戦だった。でも結果には満足してるし、トップ3が全部違うチームってのはクールだ。連中とバトル出来ると思うとエキサイトしちゃうね。明日は良いショーが見せられるように頑張るよ。
バルデリ・ボッタス予選: 4位, FP3: 3位
最高ではないにしろ最悪でもない、と言うべきだろうね。クルマの感触は良かったし速さもあったから、それを活かしきれず残念だ。ちょっとした意思疎通の問題があったんだ。前のクルマに接近していた時に”残り時間がもうない”って言われたんだけど、実際には余裕があったみたいで、本来だったら少し間を開けてアタックできるはずだったんだ。
フェラーリと接戦にもちこめればって期待してたんだけど、彼らとの間にはまだマージンがあった。彼らはストレートスピードがかなり速いし、今日ポールポジションを争うのは難しかった。でも明日はまた別の1日だし、セカンドロウだからチャンスは残ってる。ストレートでドラフティングを使えるし、ここでの過去のレースではオープニングラップで色々起きてるしね。全力を尽くすよ。
ポールポジションはスクーデリア・フェラーリのシャルル・ルクレール。2番手にはメルセデスのルイス・ハミルトン、3番手には2年連続優勝を狙うレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが続く結果となった。
2019年F1第9戦オーストリアグランプリ決勝レースは、日本時間30日(日)22時10分から行われ、1周4381mのレッドブル・リンクを70周する事で勝敗を決する。