加熱するフェルスタッペンの移籍話、ハンガリーまでに優勝出来ない場合 メルセデスと交渉の可能性
サマーブレイクを前に、マックス・フェルスタッペンの移籍話が本格化してきた。スペイン紙Marcaが28日金曜に伝えたところによると、もしハンガリーGPまでに優勝できなければ、フェルスタッペンには他チームとの交渉権が与えられるのだという。
フェルスタッペンのマネージャーを務めるレイモンド・フェルムーレンが認める通り、フェルスタッペンとレッドブルとの契約にはパフォーマンス条項が存在している。具体的な内容については明かされていないものの、ドライバーズランキング3位以内あるいは、シーズン前半戦で少なくとも1回の優勝が得られるだけのマシンを用意することが、チーム側の責務のようだ。
フェルスタッペンは今年でF1での5シーズン目を迎えたわけだが、優勝回数は5回と、その卓越したドライビング技術を考慮するとやや不相応なリザルトに留まっており、今シーズンは8戦を終えてまだ一度も勝利していない。
2020年に向けて移籍先として噂されているのはメルセデスだ。ルイス・ハミルトンは2020年末までの契約を持っているものの、バルテリ・ボッタスは今季末までとなっており、シートの一つに空きがある状況だ。
もっぱら、今年のボッタスは選手権では徐々に引き離されているものの、ランキングリーダーのハミルトンと好勝負を演じており、”何もなければ”そのシートは安泰だとみられるが、フェルスタッペンが市場に放出されるような事にでもなれば、状況が一変する可能性は低くない。
事実メルセデスは過去に2度、フェルスタッペンの獲得に動いている。一度目は2014年。育成ドライバーとして抱え込もうとしてレッドブルと争い、2017年にもレッドブルから引き抜こうとして触手を伸ばした。
フェルスタッペンは28日に行われたF1オーストリアGPのプレスカンファレンスで「4位に甘んじていたくはない。僕はレースで勝ちたい。4番手周辺で競い合う状況は良いとは言えない。毎回チャンスを失っている」と語り、レッドブル・ホンダの現在の競争力に不満を示し、「35歳になるまで4位の場所で走り続けるような状況は望んじゃいない」として、移籍の可能性がゼロでない事を示唆している。
とは言え、フェルスタッペンは原則としてレッドブルと共にタイトルを獲得する事を望んでおり、仮にパフォーマンス条項に基づいて他チームとの交渉権を得たとしても、それを実際に行使しない可能性もある。
「我々はレッドブルと共にF1ワールドチャンピオンを獲得したいと思っている」とレイモンド・フェルムーレン。「史上最年少ワールドチャンピオンに輝くという計画のもと、我々は2015年からレッドブルと共に歩んできた」
「懸念しているのは来年だけではない。その後のシーズンについても心配している。レッドブルはどうなるのか、ホンダはどうなるのか。(残留もしくは移籍の決定に関しては)これらすべての要素が重要だ」
ホンダは第14戦イタリアGPにスペック4エンジンを投入する計画を立てているようだが、一部報道ではフェルスタッペンとのパフォーマンス条項を満たすべく、ハンガリーより2戦前のドイツGPでの前倒しを目指しているとも伝えられている。