2018/19年 フォーミュラE 開催日程とチーム及びドライバーリスト
日本自動車メーカーとして初めて日産が参戦する事もあり、これまで以上に注目が集まるFIA フォーミュラE世界選手権2018/19年シーズン。開催カレンダー、チーム及びドライバーエントリーリスト、レギュレーションの変更点をまとめる。
電気(EV)フォーミュラカーの国際レースとして2014年に設立されたフォーミュラEは、2018年12月に5シーズン目の開幕を迎える。全11チーム、総勢22名のドライバーがエントリー、13ラウンドでチャンピオンシップを争う。
開催日程カレンダー
フォーミュラE第5シーズンは、2018年12月15日に初開催となるサウジアラビア・ディルイーヤで開幕。モロッコ、チリ、メキシコを経て翌年3月にアジアに上陸。香港、中国の三亞で2レースを戦った後に、ローマ、パリ、モナコといった欧州の主要都市を転戦。7月13日と14日にアメリカ・ニューヨークで行われるダブルヘッダーで全13戦の幕を閉じる。
フォーミュラEは走行時の排ガスがゼロであり、エンジン搭載車と比較すると無音に近い。こうした特長を最大限に活かし、フォーミュラEのレースはアクセスの良い大都市等の街中に仮設されるストリートコースで開催される。
ラウンド | 開催日 | 開催地 | 国 |
---|---|---|---|
Rd1 | 2018年12月15日 | ディルイーヤ | サウジアラビア |
Rd2 | 2019年1月12日 | マラケシュ | モロッコ |
Rd3 | 2019年1月26日 | サンティアゴ | チリ |
Rd4 | 2019年2月17日 | メキシコシティ | メキシコ |
Rd5 | 2019年3月10日 | 香港 | 香港 |
Rd6 | 2019年3月23日 | 三亜 | 中国 |
Rd7 | 2019年4月13日 | ローマ | イタリア |
Rd8 | 2019年4月27日 | パリ | フランス |
Rd9 | 2019年5月11日 | モナコ | モナコ |
Rd10 | 2019年5月25日 | ベルリン | ドイツ |
Rd11 | 2019年6月22日 | ベルン | スイス |
Rd12 | 2019年7月13日 | ニューヨーク | アメリカ |
Rd13 | 2019年7月14日 | ニューヨーク | アメリカ |
チーム・ドライバー参戦リスト
日産とBMWの新規参戦組を含めて、ワークスチームは計5チーム。独BMWは、米国のレーシングチームであるアンドレッティ・オートスポーツと提携。ルノーはフォーミュラ1に集中するため、アライアンスを組む日産にフォーミュラEを託す。
来季よりワークス参戦を果たす予定のメルセデスは、ベンチュリーと技術提携し子会社のHWAをエントリーさせる。テチータはルノーからDSオートモービルへとパワートレインを切り替える。
チーム | No. | ドライバー |
---|---|---|
DS・テチーター DS Techeetah Formula E Team |
25 | ジャン=エリック・ベルニュ |
36 | アンドレ・ロッテラー | |
アウディ・スポーツ Audi Sport ABT Schaeffler |
11 | ルーカス・ディ・グラッシ |
66 | ダニエル・アプト | |
Envision Virgin Racing |
ヴァージン・レーシング2 | サム・バード |
4 | ロビン・フラインス | |
マヒンドラ・レーシング Mahindra Racing |
64 | ジェローム・ダンブロシオ |
94 | パスカル・ウェーレイン | |
ニッサン・e.dams Nissan e.dams |
23 | セバスチャン・ブエミ |
22 | オリバー・ローランド | |
パナソニック・ジャガー Panasonic Jaguar Racing |
3 | ネルソン・ピケJr. |
20 | ミッチ・エバンス | |
ヴェンチュリー Venturi Formula E Team |
48 | エドアルド・モルタラ |
19 | フェリペ・マッサ | |
NIO NIO Formula E Team |
16 | オリバー・ターベイ |
8 | トム・ディルマン | |
GEOX・ドラゴン Geox Dragon Racing |
7 | ホセ・マリア・ロペス |
6 | マキシミリアン・ギュンター | |
BMW i・アンドレッティ BMW i Andretti Motorsport |
28 | アントニオ・フェリックス・ダ・コスタ |
27 | アレクサンダー・シムズ | |
HWA・レースラボ HWA Racelab |
17 | ゲイリー・パフェット |
5 | ストフェル・バンドーン |
フェラーリやウィリアムズで活躍した元F1ドライバーのフェリペ・マッサが、モナコに拠点を置くベンチュリーからFEデビューを果たす。また、マクラーレン・ホンダでF1を戦ったストフェル・バンドーンはHWAでFE初陣を飾る。
前年王者のジャン=エリック・ベルニュは、DSテチーターでタイトル防衛に挑む。2ndシーズンのチャンピオンであるセバスチャン・ブエミは、新生ニッサンe.damsでリードドライバーを務める。初代王者のネルソン・ピケJr.はパナソニック・ジャガー・レーシングでの2シーズン目に挑む。
マヒンドラからデビューするパスカル・ウェーレインは、メルセデスとの契約の関係上、開幕戦のみフェリックス・ローゼンクビストにステアリングを託す。
主なレギュレーション変更
- バッテリー容量の拡大
- アタックモードの導入
- タイムレースへと変更
- 新ポイントシステム
今季よりフォーミュラEのマシンは第2世代へと進化。”Gen2″と呼ばれる未来的なデザインのレーシングカーへと変貌を遂げる。シャシーはスパーク・レーシング・テクノロジー製の「SRT05e」。”燃費”を稼ぐために、空気抵抗を限りなく最小化するよう設計される。
マクラーレンとAtieva社によって開発された新しい標準バッテリーの電力量は従来の約2倍に相当する54kwhに拡大。これまではレース中にマシンの乗り換えが必要であったが、今季より1台のマシンでチェッカーフラッグまでを走り切る事が可能となる。また、コックピット保護装置「ハロ」が装着される。
モーターの最大出力も従来の200kW(決勝:180kW)から250kW(決勝:200kW)、約340馬力へと引き上げられ、最高速度も225km/hから280km/hへと大幅にスピードアップする。過去最速のシーズンになると共に、よりエキサイティングなレース展開が予想される。
人気テレビゲーム「マリオカート」からインスピレーションを得た”アタックモード“が導入される。アタックモードの使用中は225kW = 約302馬力までパワーアップする事が出来る。また、従来は80~90キロの距離でレース周回数が決められていたが、今季からは45分+1周のタイムレースへと変更される。
さらにポイントシステムにも変更が加えられる。リザルトに応じたポイントのほか、5位までのドライバーの中で、最もエネルギー消費量の少なかったドライバーにポイントが与えられる。ポールポジションには3ポイント、ファステストラップ・ポイントは上位10位以内の完走を条件として1ポイントが加算される。