ソチ・オートドロームを走るマクラーレンMCL33
copyright Mclaren

FP1開始までピットレーンで20分間待ち続けたノリスの”仕事ぶり”に大満足のアロンソ / Mclaren

  • Published:

マクラーレンF1チームのフェルナンド・アロンソとストフェル・バンドーンが、28日(金)に行われたF1第16戦ロシアGP初日プラクティスを振り返った。アロンソはトップから2.689秒遅れの17番手、バンドーンは3.232秒遅れの18番手で初日を終えた。

マクラーレンはFP1で、アロンソに代えて育成ドライバーのランド・ノリスを起用。セッションは現地午前11時からのスタートだったにも関わらず、ノリスはその20分前の10時40分頃からマシンに乗り込み、信号が青になるのをピットレーンでひたすら待ち続けた。

規約では、最後尾グリッド降格を受けるマシンが複数台ある場合、実際のコース上でそのエンジンを最初に走らせたマシンがポジション上優先されるという定めがある。ノリスが狭いコックピットの中で辛抱強く待機し続けたのは、先輩アロンソのグリッドポジションのためであった。

チームはFP1に先立ってアロンソ車の6つのエンジンコンポーネントの全てを交換。年間規定数を上回る交換であったため、日曜の決勝で降格ペナルティが科せられる事が決定していた。アロンソの他に、レッドブルとトロロッソ・ホンダの計4台がPUを交換しており、P1開始前には人知れず”裏予選”が繰り広げられていた。

初日を振り返ったアロンソは「今日の彼の仕事ぶりには大満足さ!本当に感謝してるよ」と後輩の労をねぎらった。ノリスはその後25周を走り込み、バンドーンをコンマ1秒上回る13番手でセッションを終えた。

マクラーレン:F1ロシアGP初日を終えて

フェルナンド・アロンソFP1: -, FP2: 17位

僕らマクラーレンにとって今週末はかなり難しいだろうと覚悟してたから、今日のパフォーマンスはほとんど予想通りさ。だからこそ、今後のレースを見据えてエンジン交換をしてペナルティを受けることにしたんだ。

モンツァとスパ以降のグランプリとしては、ソチがシーズンの中で最もパワーセンシティビティの高いトラックなんだ。大抵の場合、そういうコースでの僕らのパフォーマンスは悪化する傾向にある。何故そうなのかを理解しようと頑張ってはいるんだけど。そういう事もあって、マシンのドラッグ=空気抵抗を減らすために色んなセットアップを試してるんだ。

そうは言っても、僅か1週間の間に奇跡的な改善をするなんて事は不可能だから、今回は厳しいレースになるだろうね。タイヤのデグラデーションがかなり酷いから、レースに向けて良い戦略を練らなきゃならない。僕にとって今回の予選はあまり意味がないけど、ポイント圏内でチェッカーを受けられる事を祈ってるよ。

FP1のシグナルがグリーンになるまで、ピットレーンで20分間も待ち続けてくれたランドに本当に感謝してるよ。彼のおかげで日曜日に少し上のポジションからスタートできるんだからね。今日の彼の仕事ぶりには大満足さ!

ストフェル・バンドーンFP1: 16位, FP2: 18位

今日はタイヤへの理解を深めるために、2台のマシンでセットアップをかなり変えてたんだ。ロングランでのデグラデーションの酷さには皆ビックリしてるんじゃないかな。ロシアGPでは今まで1ストップ戦略のレースが多くてデグラデーションが低い傾向があったからね。

デグラデーション次第だとは思うけど、ここはオーバーテイクが難しいし、2ストップ戦略が上手くいく可能性は低いんじゃないかな。大抵の場合、レースでデグラが致命的になる事はないから、多分1ストップになると思うけど、それだとレース展開としてはあんまり面白くないしね。。

今日はフェルナンドの力を借りてスリップストリームを使う練習をしてみたんだ。ここの予選ではほんの少しであってもラップタイムを稼ぐのが大事だからね。でも実際にやるかどうかはまだ何とも言えないなあ。


初日をトップで締め括ったのはソチ・オートドローム4連覇中のシルバーアローの2台。ルイス・ハミルトンがトップタイムを記録し、バルテリ・ボッタスが2番手に続いた。

3番手にはレッドブルのマックス・フェルスタッペン。チャンピオンシップで後がないフェラーリは新型フロントウイングを投入するも、セバスチャン・ベッテルが5番手と冴えない結果に終わった。

F1ロシアグランプリ3回目のフリー走行は、日本時間9月29日(土)18時から19時まで、公式予選は同21時から1時間に渡って行われる。

F1ロシアGP特集