動画:唸るような轟音健在…700馬力のランボを搭載する92年のミナルディF1マシン「M191B」が復活
2018年7月12日 ー ミナルディが1992年のF1世界選手権に投入した「ミナルディM191B」が26年ぶりに復元され、イタリア北部のクレモナ・サーキットで爆音を上げた。リストアされた往年のF1マシンはトラブルフリーで20ラップ以上を走破。700馬力を誇る3.5リッターのランボルギーニ LE3512 V12エンジンは唸るような轟音を響かせた。
ランボルギーニ・スクアドラ・コルセが企画した今回のイベントで往年のF1マシンのステアリングを握ったのは28歳のイタリア人ドライバー、ミルコ・ボルトロッティ。トロロッソの前身チームを創業した事で知られるジャンカルロ・ミナルディは、M191Bについて興奮気味に語った。
「30年近く前のモデルだが、未だに血が騒ぐよ。M191Bはテレメトリーとオートマが搭載される前の最後のクルマなんだ。低回転から強大なパワーを発揮し、唸るような轟音を奏でてくれるこのエンジンは、当時の素晴らしい思い出を蘇らせてくれるね」
F1での役目を終えたミナルディ・M191B#003は、サンタガタ・ボローニャに位置するランボルギーニ博物館に展示されていたが、今回のイベント走行のために7ヶ月の歳月をかけて修復作業が行われた。90年台初頭にランボルギーニF1プロジェクトで活動していたエンジニアの協力の下、ランボルギーニ・ポロ・ストーリコが修復を担当。大部分のコンポーネントはオリジネルが維持されている。
タイヤ、燃料タンク、エンジンコントロールユニット、シートベルト、消化システムなどは交換されたものの、マウロ・フォルギエリが設計したエンジンを始めとする多くのパーツはリストアによって再び魂を吹き込まれた。12気筒のLE3512は依然としてオリジナルの出力に相当する700馬力を発揮したという。
ミナルディは92年、フェラーリエンジンの供給停止を受けてランボルギーニからのエンジン供給を選択。ジャンニ・モルビデリとクリスチャン・フィッティパルディを起用しシーズンに挑んだ。アルド・コスタがデザインを手がけたM191Bは第5戦サンマリノGPで後継のM192にその役目を譲ることとなったため、4戦のみの参戦と短命に終わった。最高位は第4戦スペインGPでフィッティパルディが獲得した11位。