角田裕毅「早くも感動」ベガスのカジノに興味津々。その一方で1点の懸念…躍進の鍵とされる”リアサス”語る
角田裕毅(アルファタウリ)はラスベガス入りして早速、カジノに興味を持ったようだが、打倒ウィリアムズが懸かる重要な週末という事もあって、土曜深夜の決勝レースでチェッカーが振られるまでは楽しみに取っておくつもりだという。
空港に着くやいなやカジノの機械を目にし、宿泊先のホテルにもカジノが併設されていた事に驚いたという角田裕毅は、イベントの開幕に先立ち「僕にとってここに来るのは初めてなのですが、もう既に感動しています」と語った。
ラスベガスでは21歳未満のカジノへの入場が制限されている他、多くの場合、ホテルにチェックインするにも22歳以上である必要がある。そのため若く見られがちなある種の人々にとっては、パスポートを含む身分証明書の携帯が欠かせない。
身長160cmに満たない角田裕毅は「チェックインしているので、カジノの人も僕が宿泊している事を分かってくれていると思うのですが、もっと大きなカジノを見に行きたいんです。パスポートを見せる必要がないといいのですが、見せないと駄目でしょうね!」と笑いを誘った。
とは言え、レースが終わるまでは誘惑をシャットアウトして週末に集中しなければならない。コンストラクターズ選手権7位を目指すアルファタウリは7点差でウィリアムズに迫っている。
角田裕毅は「良いなと思ってはいるのですが、レースが終わるまでは取っておきます。その意味で土曜に終わるのは幸いですね。日曜は楽しい時間を過ごせるわけなので。もちろん、レース結果次第ですけどね」と語る。
「特に僕らはウィリアムズのアレックス(アルボン)やローガン(サージェント)を負かす必要があるので、取り敢えず様子を見守りたいと思います」
3本のロングストレートに低速の90度コーナーが組み合わされたラスベガス市街地コースのレイアウトは「FW45」が得意とする傾向にある。ウィリアムズに対してプレッシャーを掛ける事はできるか?と問われると角田裕毅は、隣に座っていたアルボンを気にしながら「そう思います(笑」と答えた。
「でも簡単な話ではありません。7ポイントという差は僅かに聞こえるかもしれませんが、残り2レースにおいては実際のところ、決して少ないものではありません」
「そうならない事を願ってはいますが、僕らはウィリアムズが今週末、ペースを上げてくると予想しています」
アルファタウリはアメリカGP以降の過去3戦で16ポイントを獲得して好調の波に乗っている。AT04は間違いなく中団上位を争えるだけのポテンシャルを手に入れた。何が違いをもたらしたのか?
「アップグレードですね」と答えるやいなや、リア・サスペンションが一番の違いなのか?との質問が飛ぶと角田裕毅は、「それについてはコメントできるかどうか分かりません」と述べ、次のように続けた。
「アップグレードについて僕はあまり詳しくないのですが(笑、何かが大きく変わったと感じているのは確かです。それが何なのかは分からないのですが、サスペンションもそうだと思います」
「でもそれだけじゃなく、僕らはシーズンを通してほぼ毎戦に渡って新しいエアロパッケージを投入してきました。特にビスターやファエンツァの舞台裏で働いている人たちは必死に取り組んでくれています。彼らの努力なしに今の僕らはありません」
「アップグレードが持ち込まれる度に僕らはそれについて理解し、大量のデータを収集してきました。こうした事がなければ僕らはこの位置にいないと思います」
「そうした事の積み重ねがようやく、実り始めたのだと思います。全てがまとまってきた事でクルマの挙動は格段に良くなってきました。一番の理由はこういうところにあるのだと思います」
アルファタウリは今年9月のF1シンガポールGPで、今季のダブルチャンピオン・マシンであるレッドブル「RB19」のリア・サスペンションをコピーし、これに合わせて調整したフロアを同時投入することで空力パフォーマンスを改善させたと見られている。
最終戦のアブダビGPでもフロアのアップグレードが計画されているとされ、アルファタウリはレッドブルとのシナジー効果の最大化を掲げる2024年に向けて着々と歩みを進めている。
インタビューに答える角田裕毅はどこか覇気がなく、体調が悪そうな様子を見せていたが、その理由は体内時計の乱れによるものだったようだ。
「時差ボケが少しばかり響いているみたいで、かなり眠いんです」と角田裕毅は語る。
「これまでの3年間を通して慣れてはきているのですが、直近の3レースが大変だったのは確かです。次のアブダビでどうなるかは分かりませんが、対処しなきゃならないことですし、ステアリングを握れば問題ないと思います」
ラスベガスGPの全てのセッションは現地20時30分以降に行われる。FP2と予選の開始時刻は日付が変わる24時ジャストで、レースは22時より開始される。
そのためドライバーを含めたパドックの住人達は日本のタイムゾーンで生活する。