トヨタ TS050 HYBRIDの隣に座る山下健太、FIA世界耐久選手権(WEC)公式ルーキーテストにて
copyright TOYOTA MOTOR CORPORATION

山下健太、トヨタからWECテストに参加…多忙なステアリング操作に「無線に返答する余裕もなかった」

  • Published: Updated:

FIA世界耐久選手権(WEC)公式ルーキーテストが12月15日(日)にバーレーン・インターナショナル・サーキットで行われ、山下健太、ニック・デ・フリース、トーマス・ローランの3名が、2年連続ル・マン24時間レース優勝車両であるトヨタTS050 HYBRIDをドライブした。

ルーキーテストは例年、シーズン最終戦の後に行われていたが、9月開幕の翌年6月閉幕というフォーマットへと変更された事に伴い、年最後のレース終了後に行われる事となった。トヨタが1-2フィニッシュを飾った14日の第4戦バーレーン8時間レースは、晴れて暑い中での決勝レースとなったが、翌15日は天候が一転。2度にわたる豪雨により、午前中のセッションは難しいコースコンディションとなった。

土砂降りのバーレーン・インターナショナル・サーキットを走行するトヨタ TS050 HYBRID

TOYOTA GAZOO Racing WECチャレンジプログラムに所属する24歳の山下健太は、前日のバーレーン8時間レースで、ハイクラス・レーシングの33号車を駆り、LMP2クラス8位でフィニッシュ。この日は初めてTS050 HYBRIDをドライブし、44周を走破した。

山下健太とニック・デ・フリースはルーキーテストに先立って、9日(月)にドイツ・ケルンのTOYOTA GAZOO Racing本拠地を訪れ、シート合わせとシミュレータ訓練を行った。テストを振り返った山下健太は「TS050 HYBRID に乗る機会を与えて頂いて本当に感謝しています」と語った。

「ステアリング上のスイッチが沢山あり、指示通りに操作するのに精一杯で、最初はチームラジオに返答する余裕もなく大変でした。慣れた後は、ある程度走れるようになり、新品タイヤも2セット使わせてもらい、ラップタイムも向上していきました。でもまだ覚えなければならないことが多く経験が必要です。今後も機会があれば乗りたいです」

トヨタのテスト兼リザーブドライバーを務めるトーマス・ローランは、前日のバーレーン8時間レースでLMP2クラスのシグナテック・アルピーヌ36号車を駆り5位フィニッシュ。この日は、2017年のルーキーテスト以来にTS050 HYBRIDをドライブし、34周を走り込んだ。

新進気鋭の若手LMP2ドライバー3人目は、ニック・デ・フリース。レーシングチーム・ネーデルランドの29号車で、先日のレースを6位フィニッシュを果たした24歳のオランダ人ドライバーは、初めての走行となったTS050 HYBRIDで43周を走破した。

今回のテストには、チームのレギュラードライバーである小林可夢偉とブレンドン・ハートレーも参加。基準となるラップタイムをマークするとともに、種々のデータを収集した。来季よりハイバーカー規定が導入されるため、TS050 HYBRIDにとっては、この日がバーレーン・インターナショナル・サーキットを走行する最後の機会となった。

TOYOTA GAZOO RacingとWEC参加チーム及び関係者は、この後クリスマス休暇に入り、年明け早々より、2月23日に米国テキサス州オースティンで行われる2019-2020年シーズン第5戦サーキット・オブ・ジ・アメリカズ6時間レースへ向けた準備を開始する。