ウォルフ、ブラウンではなく犬猿のホーナーを支持…リカルドF1最速ラップ騒動を巡り
ダニエル・リカルド(RB)のファステスト・ラップを巡る騒動に関して、メルセデスのトト・ウォルフ代表は、盟友とも呼ぶべきマクラーレンのザク・ブラウンCEOに同意せず、犬猿の仲で知られるクリスチャン・ホーナー率いるレッドブルを支持した。
ファステスト・ラップによる1点のボーナスポイントは、当該ドライバーが入賞した場合に限り与えられる。F1シンガポールGPでRBは、トップ10フィニッシュの可能性がないリカルドに残り4周でソフトを履かせた。ランド・ノリス(マクラーレン)はボーナスポイントの獲得権利を失った。
ノリスがタイトル争いを繰り広げているマックス・フェルスタッペンは、RBと同じ親会社を持つレッドブルに所属している。リカルドがファステスト・ラップを奪ったことで、ノリスはフェルスタッペンとの差を7ポイントしか縮めることができなかった。
日曜のマリーナベイ市街地コースでブラウンは、レッドブル系列の2チームがノリスから最速ラップポイントを奪うために共謀した疑いがあるとして、追及する意向を明らかにした。
一件についてホーナーは、「RBはピットストップを行い、レース終盤にファステスト・ラップを記録した。単にそれだけのことだ」「同じオーナー傘下のチームであるため、注目されるのは避けられない。ただ、ファステストラップを記録するとリカルドにボーナスが支払われることを忘れないでほしい」と語り、共謀の事実はないと否定した。
また、RBのローラン・メキーズ代表は、次戦アメリカGP以降にリカルドがリアム・ローソンと交代する可能性を考慮し、花道を飾るチャンスを与えたいとの想いから、決断を下したと説明した。
ウォルフはメルセデスのパワーユニット供給先であるマクラーレンのボスと非常に良好な関係を築いており、また、ホーナーとは長年に渡って舌戦を繰り返す激しいライバル関係にあるものの、今回の件ではブラウン側に付かなかった。
蘭RacingNews365によるとウォルフは「考え得るすべての戦略を駆使すべきだと私は思う」と語った。
「汚いプレーではなかった。全く問題ない。1ポイントを巡ってルールの範囲内で行われたことだ。ドライバー同士が互いに不公平なことをしたわけでもない。大したことではない」
ブラウンはその後、イギリスへの帰国便で顔を合わせたホーナーとツーショット写真を撮り、「帰りの飛行機でF1は再び平穏を取り戻した(Netflixがいてくれたらな!)だが、争いは今後もコース上で続くだろう。なんて素晴らしいスポーツだ!」とのキャプションを添えてSNSにアップしたが、わだかまりが解けたのかどうかは分からない。