握手を交わすルノーのダニエル・リカルドとウィリアムズのジョージ・ラッセルcopyright Williams Racing

ウィリアムズF1、メルセデスとの契約を打ち切り2020年にルノーエンジンを搭載?マクラーレンも連鎖的に…

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ウィリアムズ・レーシングは2020年シーズンに向けて、パワーユニットの供給元をメルセデスからルノーへと変更しようとしているようだ。独AutoBildが5日(金)に伝えた。来季に向けてのドライバーの移籍話が盛り上がりを見せているが、エンジンサプライヤーの動きについても噂が立ち始めている。

英国グローブを本拠とするウィリアムズは、1000回を超えるグランプリ開催の歴史を持つF1において、計9度のコンストラクターズタイトルを獲得。これを上回るのはフェラーリしか存在しておらず、史上最も成功したチームの一つとして知られる。だが、最後の選手権制覇は遡ること22年前。徐々に競争力を落とし、今シーズンは最下位を不動のものとしている。

ウィリアムズが鞍替えを計画している背景には、メルセデスがパワーユニットとギアボックスをセットで売り込もうとしている事情があるようだ。ウィリアムズは自らのエンジニアリングを誇りに思っており、ギアボックスの自社製造に拘りを貫いている。

だがその執着心がフィールド上でのパフォーマンス向上に貢献している様子はみられない。ウィリアムズと同じメルセデス製パワーユニットを搭載するレーシングポイントF1チームは、ギアボックスの製造設備を有しておらずメルセデスからこれを購入しているが、AutoBildはギアボックスの性能差故にウィリアムズはレーシングポイントに対して1周あたり1秒弱を失っているとの考えを伝えている。

仮にウィリアムズがフランス製エンジンを搭載する場合、連鎖的にエンジンサプライヤーの鞍替えが起こる可能性がある。メルセデスのPU開発拠点であるブリックスワースは現在3チーム分のエンジンを生産する能力を備えているが、ウィリアムズの離脱に伴い生産ラインに空きが出る事になる。これをマクラーレンが逃すはずがない。

メルセデスとマクラーレンは伝統的に良好な関係を築いてきた。ウォーキングのチームは1995年から2013年までメルセデスからエンジンの供給を受け、その間にミカ・ハッキネンとルイス・ハミルトンの二人がドライバーチャンピオンを獲得。一時はマクラーレンの株式を取得していた程の間柄だ。

問題はルノーの動向だ。昨今のF1でチャンピオンシップ闘いをするためには、所謂Bチームの存在が欠かせないが、ルノーはカスタマーチームとの間に強固な関係を築けていない。ルノーが今年PUを供給するのはマクラーレンのみだが、かつて英国の名門と謳われた彼らはBチームという名の「傘下」に入る事を良しとしていない。

そのため、ウィリアムズをBチームとする事はルノーにとって悪い話ではないわけだが、ウィリアムズを迎え入れる事は、マクラーレンに対してメルセデスエンジンを手に入れるチャンスを与える事になる。今季の両者はチャンピオンシップで激しく争う立場にあり、競争力が拮抗している。ルノーとしては、ハイブリッド時代の絶対王者とも言うべきメルセデスのエンジンをマクラーレンに与えたくはないはずだ。