ウィリアムズF1、”生まれながらの勝ち組”ヨースト・カピートをCEOに抜擢

ウィリアムズのCEOに就任したヨースト・カピートcopyright Williams

F1世界選手権に参戦するウィリアムズ・レーシングは2020年12月17日(木)、ヨースト・カピートを新たな最高経営責任者(CEO)に任命した事を発表した。2021年2月1日付でチームでの職務を開始する。

ヨースト・カピートは自動車業界とモータースポーツ業界で40年以上に及ぶ幅広いキャリアを持つ人物で、近年ではロン・デニスに抜擢され2016年にマクラーレンのCEOに着任したものの、デニス離脱に伴い僅か半年足らずでチームを離れた事が記憶に新しい。

ウィリアムズ家に代わり、今年8月に英国グローブのチームの新たな所有者となったドリルトン・キャピタルは、レーシング部門全体の再編と強化を視野に入れて事業の見直しを行ってきた。チームは今年、創設史上初めてノーポイントに終わり、コンストラクター・ランキング最下位の苦渋を舐める事となった。

ヨースト・カピートはマシュー・サベージ会長の下、来年2月より会社の日々の運営に全責任を負う。またクレア・ウィリアムズのチーム離脱に伴い代表代行としての職務にあたってきたサイモン・ロバーツは正式にチーム代表に就任する。

「チームとF1の双方にとってエキサイティングかつ厳しいこの時期にチームに加わる事ができとても光栄に思う」とヨースト・カピートは語る。

「この歴史あるチームの未来の一翼を担える事は栄誉であり、私はこの挑戦に心からの敬意と喜びを以て取り組んでいくつもりだ」

またマシュー・サベージ会長は「彼は経験豊富で負けず嫌いの人間であり、幾つものの常勝チームを作り上げてきた生まれながらの勝ち組だ。グリッド先頭に返り咲くという目標達成に向けて上手くやってくれるはずだ」と期待感を示した。

ヨースト・カピートは1970年代半ばにバイクレースに参戦する形でモータースポーツのキャリアを歩み始め、1985年には父親と共にメルセデス・ウニモグでパリ・ダカール・ラリーに参戦し、トラック・カテゴリーで優勝を飾った。

BMW M GmbHに5年間在籍した後、1989年にポルシェに入社。レースプログラムのマネジメント業務に携わると、1996年に執行委員としてザウバー・ペトロナス・エンジニアリングに移籍した。

2001年にはフォードに入社。欧州フォードのモータースポーツ・ディレクターとしてフォーミュラ・フォードからジョーダンF1、更には世界ラリー選手権(WRC)など、さまざまなカテゴリーで活躍。2006年と2007年にはWRCのマニュファクチャラーズ・タイトルを獲得し、大きな成功を収めた。

2012年にはモータースポーツ・ディレクターとしてフォルクスワーゲンに移り、4年間に渡ってWRCでダブルタイトルを連覇し、フォード時代以上の大成功を収めた。早々にマクラーレンを離れた後は2016年にフォルクスワーゲンR GmbHで責任者を務め、今回ウィリアムズでF1にカムバックする事となった。

この記事をシェアする

モバイルバージョンを終了