レッドブルのディートリッヒ・マテシッツCEO
Courtesy Of Red Bull Content Pool

ホンダのおかげで最前線で戦える…レッドブル総帥が2020年のF1タイトル争いに期待する根拠とは?

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2020年のレッドブル・ホンダに高い期待を寄せているのはファンだけではない。総帥ディートリッヒ・マテシッツもまた、ホンダの最新型F1パワーユニットとエイドリアン・ニューウェイ率いる設計チームが作り上げたRB16、そしてマックス・フェルスタッペンのゴールデンパッケージに期待せずにはいられないようだ。

ミルトン・キーンズのチームが最後にチャンピオンシップを制したのは7年も前の事だ。V6ハイブリッドが導入されるや否やレッドブル+ルノー連合の優位性は消滅した。新時代が到来した2014年。5連覇の挑戦に挑んだセバスチャン・ベッテルは一度も表彰台の頂点に立てず、その年を以てレッドブルを去った。

上層部がルノーとの提携解消を決断したのはハイブリッド時代2年目の事だった。ルノー側もロータスを買収してワークス復帰を計画していただけに、両者は2015年末を以て関係を終わらせる見通しであったが、代替エンジンを手に入れることが出来なかったがために、双方共に燻る思いを抱きつつも、カスタマーチーム「レッドブル・ルノー」は2018年末までフィールドに居続ける事となった。

その意味で、ホンダとの提携はある種の悲願だったとも言えるわけだが、よもや提携2年でタイトル争いに正面から殴り込みをかけるとは驚くほかない。

今年76歳を迎えるレッドブルの創業者は、2020年のレッドブル・ホンダの活躍に疑いを抱いておらず、7年ぶりの世界選手権制覇に胸を高鳴らせている。その理由についてオーストリア人大富豪はバルセロナテストを直前に控え、Speedweekとのインタビューの中で次のように明かした。

「過去数年と比べて、今年は明らかに高い期待を抱いている。我々のエンジンパートナーであるホンダは、冬の間に素晴らしい仕事をしてくれた。テストベンチではこれまで以上に多くの距離を走ったがノートラブルだった。このパワーユニットのおかげで我々は、性能と信頼性の両方の点において、最前線で戦うことが出来るはずだ」

「2019年シーズンの序盤にレッドブルが抱えたようなトラブルは、今年は全く問題にならないだろう。コンピューターや風洞を使ったシミュレーションのデータは、いずれも前年度を上回る数値を出しているし、実際のコース上でも同じ様に反映されると確信している。世界タイトルをかけて戦いたい」

ディートリッヒ・マテシッツが期待を寄せるのはレッドブルだけではない。今季より、傘下のファッションブランド「アルファタウリ」の名をチーム名に冠したファエンツァのチームもまた、レッドブルと同じホンダの最新型PU「RA620H」を搭載する。ニューマシン「AT01」をドライブするのは、ピエール・ガスリーとダニール・クビアトのコンビだ。

「4人のドライバー達は全員が自らの経験を証明している」とディートリッヒ・マテシッツは語る。「マックスはチャンピオンに必要な全てのものを持ち合わせており、アレックスはデビューイヤーで見事な働きを見せて皆を驚かせた。そしてダニールとピエールは、先頭ランナーについて走れるだけのポジションにある」

なお、レッドブル・リンクでのF1オーストリアGPの開催契約は今季を以て満了を迎えるが、ディートリッヒ・マテシッツは「続けると思う。この手のプロジェクトは長期的なものだ。昨年我々はMotoGPとの契約を5年延長した。チェイス・ケアリー(F1のCEO)はここでのレースを気に入ってくれているだけでなく、オーストリアGPを維持したいと思っているから、更新は難しくはないだろう」と答えた。

また、F1及び国際自動車連盟(FIA)側との新しい商業規定については、現時点ではまだ基本契約にすらサインしていないと語る一方、最終合意に至るのは時間の問題であり障害は何もないと述べ、レッドブル・レーシング及びアルファタウリが2021年以降もF1にとどまる事はほぼ確実だとの見通しを示した。