ルノーのフェルナンド・アロンソ、バーレーンテストにて
Courtesy Of RENAULT SPORT

2度のF1王者フェルナンド・アロンソをして「本当に驚くべき存在」と言わしめる注目の若手ドライバーとは?

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2021年シーズンよりルノー改め、アルピーヌを名乗る英国エンストンのチームからF1世界選手権に復帰する2度のF1ワールドチャンピオン、フェルナンド・アロンソは「本当に驚くべき存在だ」と述べ、最も注目に値する若手ドライバーとしてウィリアムズのジョージ・ラッセルの名を挙げた。

ルノー時代の2005年と2006年に世界タイトルを獲得し、現役最強ドライバーと高く評価されながらも、その後は一度も勝ち星を増やせず2018年シーズンを最後にF1から遠ざかっていた39歳のスペイン人ドライバーは、来季復帰に向けて現場を視察するために、エミリア・ロマーニャGPの舞台、イモラ・サーキットに訪れた。

週末のイベントを前にアロンソは、現在F1に参戦している若手ドライバーの中で誰を最も高く評価するか?と問われて次のように答えた。

「今のF1には才能溢れるドライバー達が参戦していると思う。彼らは皆、非常に若い頃からドライバーアカデミーを通してパフォーマンスと実力を高め、入念に準備を重ねてきた。そして今、彼らは見事に仕事をこなしている」

「その中でも特にジョージ・ラッセルは、毎週末、僕を驚かせてくれる存在だ。ウィリアムズでのドライビングの仕方、一切ないミス、そして彼の素のスピードには本当に驚かされる。だから、もし1人だけ名前を言わせてもらうとすれば、僕はラッセルを選ぶ」

ウィリアムズのジョージ・ラッセル、2020年F1エミリア・ロマーニャGPにて
ラッセル、2020年F1エミリア・ロマーニャGPにて / © Williams

アロンソからの称賛にも関わらずラッセルは、日曜の決勝レースでセーフティーカー先導中にクラッシュを喫してしまったが、その評価に揺るぎはない。ウィリアムズのマシンはポイント争いに足る速さがなく、ドライバーズランキングでは下位に沈むものの、F1デビューから2年目の現段階までラッセルは、対チームメイト予選成績で驚異の無敗を誇り、ロバート・クビサとニコラス・ラティフィを撃破してきた。

メルセデスの支援を受けて成長を続ける22歳のイギリス人ドライバーは、大ベテランの先輩ドライバーからの評価に対して「フェルナンドのようなドライバーからの言葉は、僕にとって本当に大きな意味がある。来年、彼とレースをするのを楽しみにしている。多分、ぶっ飛ぶほどの速さだろうし。本当に有り難いことだね」と語った。

アロンソはイモラでの週末の後にバーレーン・インターナショナル・サーキットへと飛び、ルノーの2018年型F1マシン「R.S.18」を使って2日間で計186周を走り込む等、復帰に向けて着々と準備を進めているが、今季中のグランプリ参戦の可能性については、ダニエル・リカルドかエステバン・オコンに不測の事態が発生しない限りステアリングを握る事はない、として否定している。

ルノー2018年型F1マシン「R.S.18」を駆るフェルナンド・アロンソ、バーレーンテストにて
「R.S.18」を駆るアロンソ、バーレーンテストにて / © RENAULT SPORT