WECスパ決勝︰トヨタ7号車が逆転優勝、悲願の「ルマンに向けて”完璧”な週末」と小林可夢偉

Published：2020/8/16 16:08 Updated：2021/2/6 21:33

2019/20シーズンのFIA世界耐久選手権（WEC）第6戦スパ・フランコルシャン6時間の決勝レースが、8月15日(土)にベルギーのスパ・フランコルシャン・サーキットで行われ、3番グリッドのTOYOTA GAZOO RacingのTS050 HYBRID 7号車（マイク・コンウェイ、小林可夢偉、ホセ・マリア・ロペス）が逆転優勝を飾り、今季3勝目を上げた。

2位は8号車（セバスチャン・ブエミ、中嶋一貴、ブレンドン・ハートレー）。トヨタは今季4度目となる1-2フィニッシュを果たした。ポールポジションのレベリオン・レーシング1号車（ブルーノ・セナ、グスタボ・メネゼス、ノルマン・ナト）は1ラップダウンの3位に終わった。

7号車は最大のサクセス・ハンディキャップを課されていたにも関わらず、昨年12月のバーレーン以来となる勝利をチームにもたらし、今季2戦を残した状況でドライバーズランキング2位との差を12ポイントまで拡げて首位の座を堅守した。トヨタは、3位フィニッシュのレベリオンとのギャップを42ポイントに広げた。

好天に恵まれて暖かかった前日までとは一転、決勝当日はスタートの数時間前から激しい雨が降るなど、典型的なスパ・ウェザーの一日となり、レースはセーフティカー先導のもとで開始された。

レースは5周目にグリーンフラッグとなり、2・3番グリッドからスタートした2台のTS050 HYBRIDが4輪駆動の優位性を活かし、即座にポールポジションのレベリオン1号車をパス。ブエミの8号車が首位に立ち、コンウェイの7号車がこれを追う展開となった。

天候の回復に伴い、路面コンディションが改善していく中、1時間経過を前にした最初のピットストップでは、先にピットインした8号車がウェットタイヤを選択した一方、1周後にピットインした7号車はドライタイヤに交換。作戦を分けたが、GTクラス車両によるアクシデントで再度セーフティカーが導入された時には、路面はスリック優位となっていた。

このため8号車のブエミは再度ピットイン。これによって7号車が首位に浮上してレースが再開された。その後、再び雨が降りだし、再度セーフティカーが導入されると、7号車が築いていた後続とのマージンは一旦帳消しとなったが、ピットアウト直後に8号車がトラブルのためにタイムをロスしたため、両者は40秒ほどのタイム差でレース折り返しを迎えた。

終盤に向けて天候は再び回復。2台のTS050 HYBRIDはその順位のままチェッカーフラッグを迎え、マイク・コンウェイ、小林可夢偉、ホセ・マリア・ロペスの7号車が念願のスパ初勝利を飾った。

「この結果にはとても満足しています」と小林可夢偉。

「週末を通してチーム全員がミス無く素晴らしい仕事をしてくれました。僕自身のスティントは、降雨のために視界が悪く、コース上に留まっているのが大変なほどの非常に難しいコンディションでしたが、8号車との争いでプッシュし続ける必要がありました。僕ら7号車にとってはル・マンの直前という絶好のタイミングで完璧な週末を過ごす事が出来ました。この勢いのままル・マンへと臨みます」

7号車のホセ・マリア・ロペスは「ル・マンへ向けての準備が整った。残念ながら無観客でのレースとなるが、数年来に渡る7号車にとっての悲願のル・マン制覇に向けて全力を尽くしたい」と語った。

次戦はシーズン最大のイベント、ル・マン24時間レース。トヨタは9月19日(土)と20日(日)に行われるフランス伝統の一戦で3連覇に挑む事となる。

WEC 2019/20 第6戦スパ6時間 LMP1決勝結果

順位	No.	ドライバー	チーム	周回	ギャップ
1	7	マイク・コンウェイ 小林可夢偉 ホセ・マリア・ロペス	TOYOTA GAZOO Racing トヨタ TS050 HYBRID	143
2	8	セバスチャン・ブエミ 中嶋一貴 ブレンドン・ハートレー	TOYOTA GAZOO Racing トヨタ TS050 HYBRID	143	34.170
3	1	ブルーノ・セナ グスタボ・メネゼス ノルマン・ナト	レベリオン・レーシング レベリオンR13・ギブソン	142	1 Lap
4	4	オリバー・ウェッブ トム・ディルマン ブルーノ・スペングラー	バイコレス・レーシング・チーム エンソ・CLM P1/01	126	17 Laps