バルテリ・ボッタスのピットストップを行うメルセデスのクルー、2021年5月23日F1モナコGPにて
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動画:F1史上最長?メルセデス、1日半を掛けて遂にボッタス車のピットストップを完了

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メルセデスはモンテカルロ市街地コースでのレースから1日半後の火曜午前に、ようやくバルテリ・ボッタスのピットストップを終える事となった。

第5戦モナコGPでのピットストップの際、右フロントホイールのナットが舐めてしまった事でホイールが外せない事態となり、タイヤ交換義務が果たせない事からボッタスはリタイヤを余儀なくされた。

メルセデスは問題の原因を分析して今後に繋げるためにも、W12をモナコから英国ブラックリーのファクトリーに持ち帰り、丁重にホイールを外す事を望んだ。ホイールが付いた状態の車体はレース翌日の深夜に本拠地に到着。翌朝にホイールの取り外し作業が行われた。

その様子の一部を収めたメルセデスの動画からは、リューターを使って舐めたネジ山を削り、再形成するような作業風景が確認できる。左手で保持している黒い筒状の物体は、切削によって飛び散る粉塵を吸引するためのものだろう。

メルセデスの戦略部門を率いるジェームズ・ヴォウルズは一件について、取付角が僅かにズレていた事でナットと噛み合わない状態でホイールガンが高速回転し、その結果、ナット頭の溝が削り取られてしまったのだと説明している。

ホイール脱着のために使用されるホイールガンは、インパクトドライバーのように打撃を加えながら回転する工具で、ヴォウルズ曰く、通常であれば4・5回程度の衝撃を加えればナットが外れる仕組みになっているという。

なおナットの材質は、トト・ウォルフ代表の発言から察するにアルミニウム合金のようだ。鮮やかなワインレッドはアルマイト処理によるものだろう。

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