アロンソのフェラーリ&メルセデスへの移籍は絶望的、ベッテルとハミルトン「お断り」
不振が続くマクラーレン・ホンダでの最後の契約年を迎えているフェルナンド・アロンソ、来季優勝を争えるであろうフェラーリとメルセデスAMGに、2度のF1ワールドチャンピオンのための席はないようだ。
7月6日(木)のF1公式記者会見に参加したフェラーリのセバスチャン・ベッテルとメルセデスのルイス・ハミルトンに対し「アロンソがチームメイトってのはどうだろう?」との質問が飛んだ。ドライバーズタイトル争いを繰り広げている2人のドライバーは、事実上アロンソの移籍を拒否するコメントでこれに答えた。
アロンソの移籍を拒否する2人
「もし僕に発言権があるなら、僕はキミを選ぶよ」とベッテル。ベッテルは、現在のチームメイトでありF1ドライバーの中で最も仲が良いとされるキミ・ライコネンを、18年の相方に望んでいると語った。
一方のハミルトンも「今のチームメイトにすごい滿足してるんだ」と答え、バルテリ・ボッタスとのコンビが上手くいっていると主張、アロンソのメルセデスへの移籍を牽制するような発言を返した。
両者の返答は一見”模範解答”のようにも受け取れる。だが、アロンソのフェラーリ及びメルセデスAMGへの移籍の可能性がゼロに近いのは間違いないと見て良いだろう。
トップチーム代表は不和のリスクを負わない
跳ね馬とシルバーアローの両チームの首脳陣が、18年シーズンも自分たちがタイトル争いに絡むと予期しているであろう事は想像に難くない。そして、その戦いは今年以上に熾烈なものになると考えている事だろう。
大激戦のタイトル争いにおいて最も重要な事のひとつは、ドライバーに対するマネジメントである。他チームと互角の勝負をしている時に、自チームのドライバー同士がいがみ合ったり、足を引っ張り合ったりするような状況は断じて許されない。トト・ウォルフにしろマウリツィオ・アリバベーネにしろ、このような事態が発生するリスクを好んで負う理由がない。
実力は折り紙付きも、政治的過ぎるアロンソ
第一級の腕を持つことは誰の目にも明らかであろうが、昨今のフェルナンド・アロンソは、チーム内不和や分裂を引き起こしかねない政治的な発言が目立ち過ぎている。2017年のインディ500を制した佐藤琢磨は、チームの力なくしてこの結果はなかった、と事ある毎に強調するが、40歳の日本人ベテランドライバーが語るように、モータースポーツはチーム戦である。
チームが一丸にならずしてタイトルを獲得する等あり得ない、この”真実”を前に、一体誰がアロンソを好んでチームに引き入れるだろうか?16年や15年のように、1つのチームが圧倒的な強さを誇示するような時代であれば話は別だが、レギュレーションが踏襲される来年は今年以上の混戦になる事が見込まれている。
「最優先事項は3度目の王者獲得」と公言するアロンソの18年シーズンは、マクラーレン・ホンダに残留するか、F1を去るかの2択にその選択肢が狭まってきている。