フェルスタッペン、初戦でのレッドブル系3台のリタイヤは「かなり酷い」ブレーキにも課題を抱えるRB18
開幕バーレーンGPでのレッドブル・パワートレインズ(ホンダF1)勢のトリプルリタイヤについてマックス・フェルスタッペンは「単純にかなり酷い」と述べ、タイトル争いのためには2度と繰り返してはならないとチームに発破をかけた。
フェルスタッペンはサクヒールで開催された先週末のレース最終盤に表彰台圏内2番手を走行していたものの、残り3周でパワーが失われリタイヤを余儀なくされた。更にはチームメイトのセルジオ・ペレスも同様のトラブルに見舞われ、最終周のターン1でクルマを停めた。
調査と分析を経てレッドブルは、燃料系統の一部あるいは全部が真空状態になった結果、ポンプが燃料を汲み上げる事ができず、エンジンへの供給が遮断された事が原因と発表。第2戦サウジアラビアGPに向けてカーフューを破り、初日前々日の夜から前日正午まで夜通しでRB18の整備作業に取り組んだ。
同じパワーユニットを使用する姉妹チームのピエール・ガスリー(アルファタウリ)も46周目にリアから炎が上がりリタイヤを余儀なくされた。
燃料システムのトラブルについてフェルスタッペンはジェッダ市街地コースでのオープニング・セッションを前に、プレシーズンテストの段階では発生しなかったと認め、事前に問題を発見できなかったのは「ある意味アンラッキーかも」と語った。
「タイトルを懸けて戦いたいなら、バーレーンのようなレースを何度も繰り返すわけにはいかない」
「単純に、3台がリタイヤするなんて本当に酷い」
ガスリーもまた、今年のプレシーズンテストはファエンツァのチームとして過去最高に「クリーン」で「信頼性に関してはかなりの自信を持って初戦に臨んだ」と述べ、初めて経験する種類のトラブルであったと説明した。
レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表は決勝レース直後に、ガスリーの問題はMGU-K関連だと仄めかしていたが、実際のところはどうだったのだろうか?
ガスリーは「バッテリー関連」の問題だと認め、クルマがコース上に停まった後にショートが起き、それによって車体後方から出火して「基本的に全部が燃えてしまった」のだと説明した。
「二度と起きないって保証はないけど、今週末に向けて幾つかの部分を修正したし、少なくとも今は、僕らの側でできる事は全てやるつもりだし、二度とこういう状況に直面しないようにするつもりだ。だって決して嬉しい出来事じゃないからね」
トラブルという点で気になるのはパワーユニットだけではない。
レッドブルはバーレーンでの予選後に、FIAが標準パーツの燃料プライマーポンプ点検に関する特例措置を出した後、ポンプではなく両マシンのリアブレーキを交換した。
翌日のレース中にはピットウォールからブレーキ温度をマネジメントするよう指示が飛んだ。フェルスタッペンはテストの段階からオーバーヒートを課題としていたと説明した。
「テスト中にもブレーキの温度が上がる状況があったから対策して、レースにはギリギリ間に合ったかなと思っていたんだけど、他車と接近してバトルするとどうしても熱くなってしまうんだ」
「その結果、何度もアクセルを緩めなきゃならず、概ねシャルル(ルクレール)と3周バトルした後は文字通りブレーキに火がついてしまったから、後退しなきゃならなかった」
「ブレーキが効かないと分かってる時に無理をしても仕方がないからね」
「ラップタイムが落ちてしまうから修正できるよう取り組むつもりだ。今週末は良くなっていると良いんだけど」