メルセデス、相変わらずポーパシングに苦戦も上向き兆候? 前向き発言チラホラ
舞台変わって迎えたシーズン第2戦でもメルセデスは相変わらずポーパシング現象に酷く悩まされているが、上向きの兆候が幾つか見えてきている。
メルセデスAMGペトロナスF1チームはサウジアラビアGPの舞台、ジェッダ市街地コースで行われた3月25日の初日1回目のセッションで、ルイス・ハミルトンが9番手、ジョージ・ラッセルが15番手に留まった。
チームは日没後の2回目のプラクティスに向けてW13の改善に取り組んだが、空力的なバウンシングが解消される事はなく、両ドライバーは第1セクターの高速コーナーで大きくタイムをロス。ターン13到達するまでに0.4秒を失った。
それでもFP1よりは競争力を取り戻し、ハミルトンは5番手、ラッセルは6番手と、2台揃ってポジションを上げた。トップとのマージンはバーレーンでのFP2の100.6%に対して100.4%と、僅かに縮まった。
ヘルメットを脱いだラッセルは「レッドブルやフェラーリとの差を縮めるために、やらなきゃならない仕事がたくさんある事は分かってる」と述べ「先週末のバーレーンの時と同じ問題がまだ残っているんだ」と付け加えた。
ハミルトンもW13が引き続きポーパシングに見舞われている事を認めた上で「対処に向けて取り組んでいる」「今夜は今日集めたデータを理解するために集中し、明日の予選に向けてベストな状態を作り上げていきたい」と語った。
試行錯誤の結果、分析のためのデータを集める事に成功したものの、エンジニアリング・ディレクターを務めるアンドリュー・ショブリンによると、根本的な解決のための方法は未だ見つかっていない。
「バウンシングの問題を理解するために、更に幾つかの実験を試みた。悪化するものもあれば改善されるものもあったが、完全に解決するためのソリューションはまだ見つかっていない」
「幾つかのコーナーでドライビングに影響が出ているし、それによってタイムもロスしている」
しかしながらショブリンは、対バーレーン比較で言えば状況は改善されてきており、予選が行われる2日目に向けてマシンの縦揺れを幾らか抑える事ができるはずだとの見通しを示した。
「バーレーンに比べればマシンバランスは良いし、デグラデーションに関しても今日はかなり満足している。シングルラップに関してはまだ少し作業が必要だが、明日のフリー走行はそのためにある」
ジェッダ市街地コースは前戦の舞台、バーレーン・インターナショナル・サーキットよりも平均速度が2割弱ほど高い。スピードが上がれば上がるほどフロアと地面との隙間は狭くなり、ポーパシングが発生するリスクが高まる傾向にある。
そんなジェッダでレッドブル及びフェラーリとの差を縮めてきた事は今後に向けての有望な兆しと言えるかもしれない。
ハミルトンは「グリップはかなり良いから、あとはストレートでの速さを見つけるだけだ」と前向きに語り、ラッセルは「このあたりは何が起こるか分からないから、できるだけ多くのポイントを獲得するために、それが手の届く場所でレースをする事が重要になると思う」と付け加えた。
初日をトップで締め括ったのはシャルル・ルクレール(フェラーリ)。2番手マックス・フェルスタッペン(レッドブル)を0.14秒差で退けた。3番手には0.246秒遅れでカルロス・サインツ(フェラーリ)が続いた。
近郊の石油関連施設が攻撃され爆発炎上したにも関わらず、F1は予定通りイベントを開催する方針を表明。ドライバー達も深夜2時半近くにまで渡る議論を経てレース続行を決定したものとみられており、2022年F1サウジアラビアグランプリの3回目のフリー走行は日本時間3月26日(土)23時から、公式予選は同26時から1時間に渡ってジェッダ市街地コースで開催される見通しだ。