レッドブルRB19に乗り込むダニエル・リカルド、2023年7月11日F1イギリスGP後に行われたピレリのタイヤ開発テストにて

決定打は”フェルスタッペン級の走り”か、アルファタウリF1復帰に向け幹部を納得させたリカルド

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アルファタウリでのF1復帰の決定打となったのがパフォーマンスである事に疑いはない。ダニエル・リカルドはシルバーストンで行われたテストでRB19を駆り、F1イギリスGPでポールを獲得したマックス・フェルスタッペンや2番手ランド・ノリスと遜色ない水準のラップタイムを記録したものと見られている。

発表があったのは7月11日(火)のテスト終了から程なくしての事だった。リカルドはニック・デ・フリースの後任、角田裕毅の新たなチームメイトとして、第12戦ハンガリーGPより古巣イタリア・ファエンツァでステアリングを握る

リカルド起用の可能性についてレッドブルのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコはイギリスGP後に「タイヤテストを見てからだ」と述べ、現行RB19でのコース上の走りが決定要因の一つとなる事を示唆した。

ラップタイムは公開されていないが、F1公式プレゼンテーターを務めるローレンス・バレットは「情報筋によるとリカルドは、2023年最初のドライブとなったピレリのタイヤテストで印象的な走りを見せた。そのベストラップは日曜のイギリスGPの最前列に足る十分に素晴らしいものだった」と伝えた。

またリカルドのベストタイムについてジャーナリストのクリス・メドランドは、土曜の予選でフェルスタッペンが刻んだポールタイムから僅か0.695秒遅れの1分27秒415だったと伝えた。

タイヤはもちろん、気温や路面温度を含めて諸条件が異なるため直接比較は意味をなさないが、半年ぶりに世界最速の4輪オープン・ホイールに乗り込んだリカルドは、デ・フリースの後任を務めるに相応しい状態にあることをチーム首脳陣に納得させた。

テストの様子をガレージで見守っていたレッドブルのクリスチャン・ホーナー代表は「ダニエルがレースから離れている間も調子を崩していない事が分かって嬉しい。シミュレーションセッションでの進歩がコース上でも発揮されている」と語った。

「タイヤテストでの彼のタイムは非常に競争力があった。本当に印象的な走りだった。スクーデリア・アルファタウリに出向くダニエルが残りのシーズンの残りでどのような結果を出すのか楽しみだ」

リカルドについてマルコは以前、シミュレーターでの直接比較においてフェルスタッペンやセルジオ・ペレスの「レベルに達していない」と厳しい発言を口にしていたが、ここ数週間で評価は一変。「我々は彼を立ち直らせた。今ではシミュレーターで良い仕事をしている」と明かしていた。

ガレージ内で笑顔を見せるクリスチャン・ホーナー代表(レッドブル)とダニエル・リカルド、2023年7月11日F1イギリスGP後に行われたピレリのタイヤ開発テストにてCourtesy Of Red Bull Content Pool

ガレージ内で笑顔を見せるクリスチャン・ホーナー代表(レッドブル)とダニエル・リカルド、2023年7月11日F1イギリスGP後に行われたピレリのタイヤ開発テストにて

リカルドは2024年も引き続きアルファタウリからF1に参戦するのだろうか?可能性は十分にありそうだ。

ドライバーラインアップのあり方について、新たに最高経営責任者(CEO)に就任したピーター・バイエルは、ジュニアドライバーに固執するよりは、若手ドライバーとリカルドのような経験豊富なドライバーを起用する方が理に適っているかもしれないとの考えを示している。

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グリッドでトップレベルの人気を誇るリカルドの起用は、チームに収益の向上をもたらすかもしれない。スポンサーシップの獲得はもちろん、2024年に向けて進められているタイトルスポンサー候補との交渉にも少なからずポジティブな影響を与える事も予想される。

低迷からの脱却を目指すアルファタウリは来季よりマシン開発の方向性をシフトする。レッドブルから可能な限り多くのパーツを導入してシナジー効果を高める計画で、競争力の向上が期待されている。

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